ナイジェリアの連邦産業貿易投資省では、経済の多様化戦略の一環として、トマト生産を拡大する戦略方針を発表した。政府としては、トマト商品(生食やペースト等の加工品)の輸入依存を減少させ、雇用増や経済成長を高める目的がある。
トマト産業の強化に向けて、期待を寄せているエリアが、ナイジェリアの中北部のカドゥナ州である。当初は、カドゥナ州を集中的に支援しながら、全国的に広げていくのではないか、と推測される。
なお、カドゥナ州の州都カドゥナには、国としてロールモデル(模範)に設定しているGB Foods社がある。
同社では、トマトの自社農場を運営しており、トマトの種付け・育苗、収穫。さらには、収穫したトマトの選別・加工・商品開発から販売まで「トマトの垂直統合型ビジネスモデル」を実践している企業である。
ハイテク農業と垂直統合型ビジネスを拡大
ナイジェリア政府がロールモデル(模範)としているGB Foods社では、垂直統合型ビジネスモデルを実現するため、既に、約6億2,000万円(20億ナイラ)の投資を行っている。
具体的には、自社農場の拡大、農機トラクターや施設栽培、トマトの選別機械などの購入などである。
トマトの自社農場では、4haの育苗ハウス、16haのトマト農場(屋外)を稼働させ、50名以上の現地雇用を実現した。また、自社の農場だけでなく、契約栽培も増やしている。
ナイジェリア政府としては今後、トマト生産においては、施設栽培や植物工場、大規模なドローン農場管理などのハイテク農業への投資を加速させながら、垂直統合型ビジネスモデルを国内にて拡大させていく方針。
なお、当面の目標としては、1,500名の雇用創出、3,000名以上の契約農家、収量60トン以上/1haの生産性向上、といった数値を設定している。