植物工場バジルの光量と収穫量に関する実験
弊社のテストラボ(植物工場)にて、バジル栽培について簡単な実験を行いました。リーフレタス栽培と同じように、弊社オリジナル光源(商品紹介ページ)を採用し、光量のみ異なる環境で比較栽培した結果です。
(左)【100μmol】、(右)【130μmol】となり、光源から35cm直下の栽培パネルにおける光量を測定しております。
「植物工場向け LED光源の導入費用 ~コスト分析~」でも解説した通り、リーフレタスの場合は、照明と栽培パネルとの距離: 約25cm にて設定することが一般的です。
しかし、バジルの場合は上に伸びる性質があるため、栽培棚1段あたりの間隔も広く確保する必要があり、今回は「照明と栽培パネルとの距離: 約35cm」にて光量を測定しております。
- 光量以外の養液環境や栽培室内の温度・湿度などは同条件にて栽培
- 光量が20%減になると、収量も16%減という結果に
- 植物工場プラントを設計する際、総合的な施設管理に目を向け、現場ニーズを反映した設計デザインが組み込まれているか、という視点も重要
植物工場プラントを設計する際、事前に商品規格を明確化し、設計デザインに反映させることが重要
今回のバジル比較実験では、光量が弱すぎると収量も減少し(光量が20%減になると、収量も16%減)、全体的に葉が小さく、光を求めて茎だけが上に伸びていくような形となりました。
植物工場プラントを設計する際、栽培品目(レタス、バジル)によって最適な栽培環境が異なりますので、事前の市場調査などを通じて「どういった野菜を、どのくらいのサイズ」で生産・収穫するのかを明確にする必要があります。
レタス栽培を想定した設計プラントで、途中から栽培品目をバジルに切り替えようとすると、理想環境ではないために無理が生じ、本来の収穫量より減少してしまいます。こうした稼働後の品目切り替えは、多くの植物工場(特に小~中規模サイズ)にて見受けられます。
また、小売スーパーへの販売のため、リーフレタス1株70~80gを想定した設備で稼働後、業務用として1株100g以上のリーフレタスを栽培しようとすると、以下のような問題に直面します。
- レタス同士の株間が狭く、成長スペースが不足している
- 1段あたりの栽培棚スペースが小さく、野菜が照明に付着・葉焼けが発生
➡ 「100-120g」の業務用として販売するため、大きくしようとしても、スペースが不足。大きく成長させると、照明に葉が付着して「葉焼け」が発生。葉焼けした野菜は、商品として販売できなくなる。