カゴメは5月27日、ドーム型の太陽光利用型植物工場の開発・運営を手がける農業ベンチャー「株式会社グランパ」に、3億100万円を出資し、発行済み株式の33.4%を取得すると発表した。
カゴメがトマト栽培で培った大規模生産技術などを融合させることで、より効率性を高める狙いがある。カゴメは「新しい農業のビジネスモデルとして、海外輸出にもつなげたい」としている。
ドーム型植物工場は、直径20メートルの円形水槽で、リーフレタスが1日で約400個出荷できる。国内ではすでに21ドームが稼働しており、両社はグランパが開発した神奈川県秦野市と岩手県陸前高田市の水耕栽培用のドーム型野菜工場などで協業を進める。
最先端植物工場の開発と運営を手掛ける
アグリビジネスベンチャー、株式会社グランパへ出資決定
カゴメ株式会社は5月24日、植物工場の開発と運営を手掛ける株式会社グランパ(社長:阿部 隆昭、以下グランパ)に3億1百万円を出資し、相互連携することに合意しました。
グランパは、担い手となる農業者の不足や、農産物の数量や価格変動などの問題を抱える農業分野において、ドーム型植物工場「グランパドーム」を独自に開発し、円形水槽の自動スペーシングシステムによる安全安心な葉菜類の高効率生産に取組んでいます。
「グランパドーム」の施設製造・販売に加え、リーフレタスをはじめとする農産物及び同加工品(カット野菜)の生産・販売事業も手掛けており、国内外において新たな農業ビジネスモデルとして注目されています。
同社は、国内においては、園芸農業の技術や経営を担う人材育成を通じて、安定した農業経営体を構築すること、海外にむけては、日本発の農業モデルを輸出産業にすることを目指しています。
今回の出資により、カゴメが生鮮トマト事業において確立してきた大規模施設園芸の栽培技術と、グランパのノウハウを融合し、日本における農業の成長産業化を目指します。
両社が持つ栽培技術の情報を共有することで、ドームでの栽培期間の短縮、環境制御高度化による単位収量の増加、生育品目の拡大等を進め、生産野菜の原価低減を目指すとともに、売上の拡大を図ります。また、カゴメが持つ需給調整機能の活用可能性を検証し、効率的な受発注の仕組みを作ることで、販売ロスの削減につなげます。
カゴメは1899年の創業以来、トマト栽培を通じて長きに渡り農業振興に携わり、1998年からは、大規模な施設園芸で行う生鮮トマト事業に取組んでいます。本事業における2012年度の売上は、過去最高の89億円を達成しています。
また、今年で発売80周年となるトマトジュースは、原材料となる加工用トマトの全量国産化を目指しており、国内における契約農家での栽培拡大を積極的に推進してきました。また、本年4月より、農の新たな価値と事業を開発する「農カンパニー」を社内で立ち上げ、「農」からの価値を創造する事業展開を目指しています。
【株式会社グランパの概要】
設立:平成16年9月17日
本社:横浜市中区
払込資本金:9億1百万円
出資比率:カゴメ33.4%
売上高:13億円(2012年度)
従業員:21名