ナチュラルアートは、環太平洋経済連携協定(TPP)や担い手の高齢化など転換期にある日本の農業において海外市場を狙い、長期保存できる「ロングライフ牛乳」の香港やシンガポールへの輸出を計画。この春には中国で初めての農場を南京など2カ所に開く。現地企業と合弁でコメやイチゴ、トマトなどを育てる予定。将来、中国の5〜6カ所で農場を展開を計画している、という。 同社は「第2の農協」を掲げ、農産物の新たな生産・販売体制を構築、全国約10カ所の直営農場に加え、提携する農家や食品メーカーなどは1000以上と勢力を広げる。2003年に設立後、8年間で年商100億円を超える企業となった。社長の鈴木氏は「農業の再生請負人」として、資金繰りや後継者不足に悩む農家や農業関連の企業を傘下に収めるなどして次々と再建してきた。だが、闇雲な拡大路線に走っているわけではない。「農家やメーカーを束ねる事業モデル」の実現に有望な支援先を見極める。 追求するのは青果や畜産物を横断的に生産、加工、販売し付加価値の高い農畜産物の流通。その効率的な補強のためにM&A(合併・買収)を活用する。今後も農業生産法人の買収で農場を増やすほか、ネット通販会社などを傘下に収めることで販路拡大も狙う。資本関係を伴わない提携にも積極的。例えば、直営農場で生産した豚肉などを、提携メーカーに委託してギョーザに加工し、直売するといった形式も考えられる。今後も国内外における同社のビジネスに注目していきたい。 ]]>
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