野菜の機能性に関する測定方法(機能性表示食品制度にも応用)

 機能性表示食品制度による商品の販売が6月16日より開始されました。当初は飲料や加工食品、サプリメントなどの販売が中心となるが、今回の表示制度では生鮮野菜も対象となり、安定的な成分含有量を実現できる植物工場のような生産方式にて栽培された野菜であれば、将来的には表示が可能かもしれません。

特定保健用食品(トクホ)と違って国の審査を受ける必要がない今回の機能性表示食品は、規定に沿った形で消費者庁に、成分の効能の科学的根拠を示した論文などを提出・受理され、問題がなければ企業の責任のもとで、60日後には自動的に販売することが可能となります。
そこで今回は野菜の機能性と、その代表的な測定方法について解説したい、と思います。

野菜の機能性に関する測定方法(機能性表示食品制度にも応用)村上農園のブロッコリー・スーパースプラウト商品。同社は静岡県焼津市に、完全人工光型植物工場にて、体の抗酸化作用を高めるとされるスルフォラファンを多く含むブロッコリーの新芽を生産している。同社でも機能性表示食品制度への申請を検討している。

野菜の機能性とは?

 最近、よく耳にする野菜の機能性について。野菜には ①栄養、②嗜好性、③生理機能という3つの役割があり、それぞれ ①1次機能、②2次機能、③3次機能と呼ばれます。野菜の栄養とは、ビタミンやミネラル成分に由来します。嗜好性は、食べる人の好みを満足させるものです。そして生理機能とは、生体調節機能のことで、栄養成分ではないけれども体の調子を整えたり、病の予防効果が期待されるものです。現在における「野菜の機能性」といえば、この「生体調節機能(=3次機能)」のことを示すことが一般的です。

機能性は何に由来する?

 野菜がもつ機能性とは、その野菜が含有する機能性成分によって異なります。有名な例でいえば、ブドウは「抗酸化能」という機能性を有していますが、それは「抗酸化物質」であるポリフェノール類を含んでいるから、と理解することができます。

機能性評価には目的成分だけで十分?

 野菜の機能性を測定する際、着目する機能性成分の濃度を測定・評価すればよいことになります。しかし例えば、ブドウには抗酸化物質としてポリフェノール類のほかに、ビタミンCやビタミンEといったその他の抗酸化物質が含まれています。
よって、「ブドウ」という果物では、ポリフェノール類やビタミンCやビタミンEといった、複数の抗酸化物質が力を合わせて「抗酸化能」という機能性を発揮している、と考えた方がよいことになります。

機能性とは、各成分の総合力のようなものです。着目する機能性成分のほかに、このような総合力で示される「機能」の強弱を測定する方が望ましいことになります。
以下では、機能性成分の測定例としてポリフェノールと抗酸化能のケースを紹介しておきます。

抗酸化物質と抗酸化能の測定方法

 ポリフェノール類の定量に、一般的に用いられている方法としては、フォーリン・チオカルト法とフォーリン・デニス法があります。いずれもフォーリン試薬を用いた比色定量法であり、吸光光度計を使って簡単に調べることが可能です。また、抗酸化活性の代表的な測定方法はORAC法(オーラック法)です。ORAC法は、食材の「活性酸素吸収能力」を評価する方法で、 ORAC値が高いほど抗酸化力が高いということになります。

弊社でも機能性野菜に関する品質・付加価値向上のために様々な分析方法を提案しております。お気軽にご相談下さい。→【お問合せフォームへ

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