野菜の機能性とは?
最近、よく耳にする野菜の機能性について。野菜には ①栄養、②嗜好性、③生理機能という3つの役割があり、それぞれ ①1次機能、②2次機能、③3次機能と呼ばれます。野菜の栄養とは、ビタミンやミネラル成分に由来します。嗜好性は、食べる人の好みを満足させるものです。そして生理機能とは、生体調節機能のことで、栄養成分ではないけれども体の調子を整えたり、病の予防効果が期待されるものです。現在における「野菜の機能性」といえば、この「生体調節機能(=3次機能)」のことを示すことが一般的です。
機能性は何に由来する?
野菜がもつ機能性とは、その野菜が含有する機能性成分によって異なります。有名な例でいえば、ブドウは「抗酸化能」という機能性を有していますが、それは「抗酸化物質」であるポリフェノール類を含んでいるから、と理解することができます。
機能性評価には目的成分だけで十分?
野菜の機能性を測定する際、着目する機能性成分の濃度を測定・評価すればよいことになります。しかし例えば、ブドウには抗酸化物質としてポリフェノール類のほかに、ビタミンCやビタミンEといったその他の抗酸化物質が含まれています。
よって、「ブドウ」という果物では、ポリフェノール類やビタミンCやビタミンEといった、複数の抗酸化物質が力を合わせて「抗酸化能」という機能性を発揮している、と考えた方がよいことになります。
機能性とは、各成分の総合力のようなものです。着目する機能性成分のほかに、このような総合力で示される「機能」の強弱を測定する方が望ましいことになります。
以下では、機能性成分の測定例としてポリフェノールと抗酸化能のケースを紹介しておきます。
抗酸化物質と抗酸化能の測定方法
ポリフェノール類の定量に、一般的に用いられている方法としては、フォーリン・チオカルト法とフォーリン・デニス法があります。いずれもフォーリン試薬を用いた比色定量法であり、吸光光度計を使って簡単に調べることが可能です。また、抗酸化活性の代表的な測定方法はORAC法(オーラック法)です。ORAC法は、食材の「活性酸素吸収能力」を評価する方法で、 ORAC値が高いほど抗酸化力が高いということになります。