企業の農業参入を後押ししている大分県は、2010年度までの4年間に106社の参入があり、目標としていた105社の参入を達成したと発表した。公共事業の減少傾向などから建設業者からの参入が多く、販売額も4年間で約98億6千万円となり、07年に立てた目標の105億円をほぼ達成した。担当課は、雇用や地域経済、耕作放棄地の活用面などでの効果が徐々に上がっているとみている。
農業の後継者不足を懸念する県は2007年度から農地あっせんや農業技術指導、制度融資などの支援策をスタートした。企業側もリーマン・ショック後の不況や公共事業減少などを受け、産業としての農業への関心が高まっている。県農山漁村・担い手支援課によると、この4年間の参入106社の割合は、県内企業が83社(78%)、県外企業が23社(22%)だった。2010年度は県外から6社だったのに対し、県内からは29社が参入。地元企業の進出ぶりが目立つ。
また、参入した企業を業種別にみると、最も多かったのは建設業(43社)で40%を占めた。次いで食品・飲食業が18%、農業12%、製造業6%だった。この4年間で参入した建設業43社はすべて県内企業だった。同課企業参入支援班は「公共工事が減り、建設業からの参入が多くなったようだ」と話している。参入企業を農作物別でみると、露地野菜の栽培をする企業が30社で最も多く、26%を占めた。次いでビニールハウスなどを使った施設野菜の栽培が25社(21%)、しいたけ栽培の24社(20%)、果樹が17社(15%)と続く。
一連の企業参入による農業従事者について、4年間で正社員が347人、パートが732人で、県の当初の目標がほぼ達成されており、地元の雇用創出につながっているとみている。活用された耕地面積は457ヘクタールで、うち28%にあたる127ヘクタールが、耕作放棄地だったという。同課企業参入支援班の担当者は「更に多くの法人に来てもらって県内の農業生産を増やし、働く場を増やしたい。耕作放棄地もどんどん活用して減らしたい」と話している。<参考記事:asahi.comより>
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