ワサビの植物工場ベンチャーNEXTAGE、千代田化工建設と共同研究開発へ

植物工場によるわさびの自動栽培に取り組むアグリテックベンチャー、株式会社NEXTAGEは、千代田化工建設株式会社と自動栽培のベースとなる栽培装置のモジュール化の実現に向けてMOU(基本合意書)を締結し、共同研究開発計画の策定を開始した。

両社は、栽培装置をモジュール化することで、場所に依存せずに栽培を行うことを可能にし、同時に植物が持つ栄養成分や世界各国の嗜好にそったわさびの栽培を可能にするための研究開発を念頭に計画の策定をすすめます。

NEXTAGE・大洋化学、植物工場でのワサビ栽培の共同プロジェクトを開始
NEXTAGE社による過去の記事より「わさび水耕栽培棚」
[関連記事]
NEXTAGE・大洋化学、植物工場でのワサビ栽培の共同プロジェクトを開始


■共同研究開発計画策定に至った経緯
NEXTAGEは、わさびの国内生産量が年々減少している現状をテクノジーを活用して解決するミッションを掲げ、2019年よりわさび促成栽培技術の開発と自動栽培の実現に向けた実証試験に取り組んできました。

すでに屋内での栽培を実現していますが、事業化に向けた技術開発課題として、促成栽培技術のさらなる安定化、栽培作業省力化、遠隔管理や自動化を実現すための栽培装置モジュール化の重要性を再認識しています。

今回、千代田化工建設と技術連携をすることで、総合エンジニアリング企業として有する実績と豊富な知見を取り入れ、基本設計段階から共同でわさび栽培に最適化した栽培装置モジュールの設計開発を行います。


■共同研究開発計画策定
2022年3月末日まではNEXTAGEが開発したわさび促成栽培技術の改善とモジュール化を実現するために必要な開発項目と実験項目を抽出し、共同研究開発計画ロードマップを作成します。2022年4月以降は両社協力のもと当該ロードマップに沿って共同研究開発を開始する予定です。


ALL JAPAN MADEの植物栽培技術を世界へ!
株式会社NEXTAGEは『ALL JAPAN MADEの植物栽培技術を世界へ』を合言葉に、わさびの自動栽培ソリューションの開発に取り組んでいるアグリテックベンチャー企業です。

代表の中村拓也が毎年旅行で訪れていた地域のわさび田の荒廃を目の当たりにし、強い懸念を持つようになったことがきっかけで、最高峰の国産わさびといわれる「真妻種」発祥の地 旧真妻村(現:印南町川又)を訪れ、2019年より真妻種の栽培を開始しました。

日本の食だけでなく、文化や技術を伝え、様々な企業の方々と繋がり、日本が誇る「わさび文化」の継承と発展、100年後の未来の子供たちに「本物のわさび」を残していきたいという想いで、屋内環境での人工光による栽培(=植物工場栽培)をスタートし、試験栽培と商品化に取り組んでおります。

また、これまで蓄積してきたわさびの植物栽培工場における栽培技術と知見を活かし、皆さまと共に、ALL JAPAN MADEの植物栽培ソリューションを世界へと展開していきたいと思います。