デクノボンズ、ワインの”絞りカス”廃棄物を利用した「グレープシードオイル」の製造へ

食油を製造販売する、株式会社デクノボンズではワイン製造で廃棄される「ブドウ」の種を絞った”絞りカス”から、グレープシードオイルの製造を開始した。

純国産グレープシードオイルはワインを搾った後にでるワイン残渣から種を取り出し、その種を熱をかけずにゆっくりと搾られます。このオイルは、香りを添加したのではなく、素材が持つ香りそのもののワインが香るオイルです。


デクノボンズ、ワインの”絞りカス”廃棄物を利用した「グレープシードオイル」の製造へ
ジャパングレープシードオイルは構想から5年、ようやくご紹介させていただけることになりました。 ジャパングレープシードオイルは、一切熱をかけることなく搾られるため、既存の無味無臭のグレープシードオイルとは違うワインの香りがする風味豊かなグレープシードオイルです。

ワイナリーで処分されていたワインの絞り粕を新鮮なうちに町内の福祉作業所で選別、乾燥し、ゴミの減量にもつながり地球にも優しく、農業、福祉、食品加工との連携で今までにない価値を提供いたします。


なぜグレープシードオイルなのか
油屋の私は、常にどうしたらお客様に感動を与えることができるか、地域に好循環を生み出すことができるか、安定した経営でチャレンジし続けることができるかを考え事業を行っております。そんな中で浮かんだアイデアがグレープシードオイルでした。

きっかけは「岩手県てヤマブドウの生産量日本1なんだ~、へ~~」という、数多く流れてくる情報の一つを耳にしたことでした。


そこから疑問がわいてきます。そのヤマブドウはどうやって消費されているんだろうか?ブドウって果肉や果汁で消費されると思うんだけど、種とか皮ってどうなってるんだろう?

その種が手に入ったら油搾れるかも?でもどうやって種を手に入れる?まさか民家1軒1軒家庭をまわって集めるわけにいかないよな~、どうしたらいんだろうね~、で思考はストップし、時間ばかりが過ぎていきました。

その後、運命の出会いがありました。 岩手県内で山ぶどうからワインを作ってるワイナリーがあるよ!関係者も知ってるから今度紹介しましょうか? 何気ない会話から有力な情報を得ることができました。


ワイナリーから出るワインの絞り粕は、廃棄物として多くが処分されていること
ワイナリーさんにお話を伺うと、ワインの絞り粕は肥料として畑に戻すか、家畜の餌にするくらいで、ほとんどが処理に困っていること、廃棄物としてお金をかけて処分している実態がわかりました。

これこそ私が目指している地域に好循環をもたらす事業になりえると確信した瞬間でした。ゴミをゴミではなく、新たな価値ある資源として世の中に送り出したい!まだ誰もはじめていないチャレンジングな事業でした。


現在見かけるグレープシードオイルのほとんどが色も香りもなく、脱臭、脱色の手が加わっていると思うこと
「グレープシードオイルって、味も香りも無くてさらっとして使いやすいよね」一般消費者にヒヤリングするとだいたいこんな返答が返ってきました。目指すはブドウの、ワインの風味がするオイル。

なるべく手をかけずに素材本来の良さを生かすことができるオイルを開発することを商品開発の目標に据えました。


国内で国産ブドウの種から搾ったグレープシードオイルが存在していないこと
それからグレープシードオイルについて沢山調べました。しかし、国内で商品化しているところに行きつくことができません。

どうやって種を選別したらいいのか、どうやって搾ればいいのか、どのくらい油が出るのか、その油はどんな油なのか調べることができる限り調べつくした結果、自分でやるしかないとの結論に至ったのです。

ワイン残渣、思っていた通りと言えばそうなんですが、実際に目の当たりにすると作業の困難さが容易に想像できました。 ここから種だけを選別して乾燥、どれくらい種がとれるんだろうか?時間の割にこれだけ?なんてこともあり得るわけです。

デクノボンズ、ワインの”絞りカス”廃棄物を利用した「グレープシードオイル」の製造へ
これだけの種を数か月かけて選別、乾燥を行い手に入れることができました。ワインに浸かっていたためか、きれいなブドウ色した種が手に入りました。


はたして油はでるのか!?
貴重なこの種を、どう油にしたらいいか。悩み想像し、今までの油屋の経験をフル動員して至った結論が「コールドプレス」でした。しかし、コールドプレスの機械は弊社にはありません。

そこで以前から親交のあった同業他社の設備ある油屋さんに試作の依頼をしたのでした。 数か月して帰ってきた油は、焙煎香のする油。油出なかったから出やすくするために焙煎したからとのこと。油の出来に満足はできませんでしたが、油でるんだ!ブドウの種から油はでるんだ!と可能性を繋ぐことができました。


非加熱、コールドプレスのグレープシードオイルが!
あとは信じて進むだけ。コールドプレスの搾油機を導入しました。わが社の社運を賭けた過去最大の設備投資です。

この岩手県が栽培量日本一の山ぶどうで、廃棄されていた資源を使ってお客様に感動を与えられる日本初の純国産グレープシードオイルをつくるチャレンジングなプロジェクトです。

機械の搬入が終わり、いざ試作。もし出なかったら。思ったような風味じゃなかったら。そんな心配が脳裏をかすめます。でも、そんなことはない、種に含まれる油の量も分析した。他社に依頼した種から油は出た。このスペックの機械なら十分なはず。たとえ搾油量が少なくてもこれは価値あるチャレンジなんだと自分に言い聞かせました。

デクノボンズ、ワインの”絞りカス”廃棄物を利用した「グレープシードオイル」の製造へ
油が出た瞬間、口に含んだ瞬間、感動がりました。こんな油は食べたことが無い。この油と同じ房からとれたワインとあわせたらどんなに美味しい事かと。

効率は決して良くはありません。ブドウから果汁が引かれ、そこから皮が引かれ、種からオイルが得られますが、その量はわずか0.5%ほど。希少なオイルになってしまいますが、補って余りある豊かな風味があります。

ワインの風味がするグレープシードオイルは私は出会ったことがありません。それは香りを引かず、色も引かない素材が持つ風味をそのままにボトルに詰め込んでいるからです。


量産化を目指し
地元の福祉作業所で選別乾燥をしていただけないか相談したところ、快く引き受けてくれました。 継続できる事業にするため、時間や人数など検証を兼ねお願いしました。

2021年産からは複数のワイナリーで出たワイン残渣も受け入れ、年度産、品種、産地ごとに管理した商品を展開予定です。お好きなワイナリーのワイン同じブドウのオイルが開発されるかもしれません。

カヴェルネソーヴィニヨンのオイル、シャルドネのオイルといった展開です。

ワインとの相性はもちろん、環境にも配慮し、障がいがある人たちの仕事にもなるこのジャパングレープシードオイルを多くの方々に知っていただき、サスティナブルの輪を大きく広げていくためにジャパングレープシードオイルの取材をお願いいたします。

発売開始は2022年のはじめを予定いたしております。

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編集部
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植物工場・農業ビジネスオンライン編集部です。「植物工場・食&農業ビジネス」×「環境制御技術」に関する最新動向ニュースを配信中。