静岡県では8月3日、植物工場など先進的な農業技術の共同研究拠点「AOI-PARC(アオイパーク)」の開所式が行われた。研究拠点は沼津市内にある旧・東海大学の施設を改修し、当面は建物1~2階のスペース(4,212m2)にて、研究開発や企業のレンタルオフィス/研究スペースとして活用される。
AOI-PARC(アオイパーク)は「Agri Open Innovation Practical and Applied Research Center」の略。大学などの研究機関のほか、民間企業からは12社が参加。拠点入居者を中心に産学官金の多様な参画を得て、革新的な栽培技術開発や品種開発に取り組んでいく。
また、その成果を農産物生産のほか、食品や健康などの幅広い産業分野におけるビジネスへつなげるなど、オープンイノベーションと「農・食・健」連携による新事業の創出を積極的に推進していく、という。
1階には、静岡県農林技術研究所 次世代栽培研究センター、慶応大学、理化学研究所などが参画し、最新の栽培実験・分析装置を導入した。遺伝子解析装置のほか、植物工場では様々な条件下にて比較試験が可能な設備となっており、30万通り以上の環境を再現できる、という。
2階にはレンタルゾーンにて、各入居企業による研究が行われ、レンタルオフィスや会議室も整備されている。全体的なプロジェクト管理は4月に設立されたアグリオープンイノベーション機構(AOI機構)が中心となって、オープンイノベーションとビジネス展開を支援していく。
「AOI-PARC」の概要
(1)所在地 静岡県沼津市西野字霞317
(新東名高速道路「駿河湾沼津IC」から車で約10分)
(2)施設概要
ア 東海大学旧校舎(5階建て)のうち1~2階を改修(4,212平方メートル)
イ 供用研究室(15室)、供用会議室・交流室、次世代栽培システム室、学術・研究機関や推進機関の執務室等を整備
(3)主な研究機器
ア 約30万通り以上の環境を再現可能な次世代栽培実験装置
イ 農作物中の機能性成分を短時間で感度良く測定可能な分析装置
ウ その他、遺伝子解析や植物状態計測のための装置
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