JR西日本など、国際認証規格グローバルGAPのお米の生産支援を開始

 西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)は、昨年4月に資本参加したファーム・アライアンス・マネジメントを通じて、JR西日本エリア内初となる、国際認証規格グローバルGAPのお米の生産支援を開始した。また、昨年10月に業務提携した神明ホールディングと連携して、そのお米を株式会社光洋に販売する。

1 本取り組みの概要
(1)国際認証規格グローバルGAPのお米の生産支援について(JR西日本エリア内初)
JR西日本グループは、「JR西日本グループ中期経営計画2017」において掲げた「地域共生企業」となるべく、地域の産業振興につながり、定住に寄与する事業の一つとして農業に着目しました。昨年4月に、生産者の経済性および競争力の向上に資する、生産者に対する国際認証規格グローバルGAPの取得支援とそれらの農産物の流通ルートへの提供を行うファームアライアンスに資本参加しました。
 このたび、ファームアライアンスの農業フランチャイズメンバーである下記の農業生産法人が、今秋収穫するお米の生産において、国際認証規格グローバルGAPをJR西日本エリア内で初めて取得できるよう、生産支援を開始いたしました。

JR西日本など、国際認証規格グローバルGAPのお米の生産支援を開始

(2)神明HDとの連携による流通について
 JR西日本では米穀事業に加え、外食・無菌包装米飯・アグリビジネスなどの国内事業や海外子会社を通じた製品の販売など、食に関わる多彩なビジネスを展開し、日本の農業の活性化を目指している国内最大手の米卸の神明HDと昨年10月に業務提携を行い、相互のネットワークを活用しながら、地域農業の再生と活性化に向けて取り組んできたところです。
 上記のお米について、神明HDは「すべてはお客様のために」をテーマにスーパーマーケットで日々の食料品を販売することを通じてお客様の暮らしを豊かにすることを目指す光洋に販売することといたしました。

2 農業生産法人の概要
(1)社名
農業生産法人 有限会社エコ農業ニシサカ
(2)所在地
滋賀県高島市安曇川町西万木832-6
(3)代表者
代表取締役社長 西坂良一
(4)資本金
300万円
(5)設立年月
平成18年3月2日
(6)主な事業内容
主にお米の生産・販売・加工(米粉)など

【グローバルGAPとは】
グローバルGAPは、欧州を中心に世界100カ国以上で実践されているGAP(Good Agricultural Practice:適正農業規範)の世界標準です。グローバルGAPでは、農業生産・取り扱いにおける農産物の安全管理手法や労働安全、持続可能な農業を行うための環境保全型農業実践のためのチェック項目が具体的に定められています。農産物の世界的な流通においては、もはやグローバルGAPの認定取得が取引条件となっており、サプライヤーとして「選ばれる」ための必須要件として求められています。

欧米では、事業リスクを最小化することが小売事業者の標準的な動きとなっています。特に、小売業売上高世界ランキングのトップ10にあるような量販店は、国際的な認証規格(例:グローバルGAPなど)を取得しているサプライヤーや生産者からの仕入を優先しており、自らの販売チャンネルにおいてリスク・ヘッジできない農産物の取り扱いを排除しはじめています。

グローバルGAPは2011年に改訂され、農産物の集出荷・選果場の管理範囲が審査の必須要件となり、農場から出荷までを網羅したサプライチェーン全体におけるマネジメントシステムを評価する事により食品安全リスクを包括的に担保するようになりました。日本での認証取得実績はいまだ少なく、規模だけでなく、農産物の安全管理も途上段階であり、中国、韓国、東南アジア諸国と比較しても、日本におけるこの分野での取り組みが期待されています。