デンソー、ハウス内の自動制御ができる農業生産支援システム「プロファーム」を発売

 株式会社デンソーは、農業用ハウス内の温度、湿度、CO2濃度を最適状態に自動制御し、光合成を促進することで、農作物の安定生産と収穫量の増加に貢献する農業生産支援システム「Profarm(以下プロファーム)」を4月1日に発売する。プロファームは、トヨハシ種苗株式会社を通じて販売し、7月から出荷を開始する。

 今回発売するプロファームは、風向き、風速、日照、降水の有無、およびハウス内の温度、湿度、CO2濃度を計測する「各種センサー」と、ハウスの天窓・カーテンの開閉、空調装置の制御、ミスト・CO2の発生を行う各種機器に制御信号を出す「コントローラー」で構成されています。ハウス内外の状況に応じて植物の生育環境が最適となるようコントローラーが自動的に制御します。

デンソー、ハウス内の自動制御ができる農業生産支援システム「プロファーム」を発売

 現在、国内のハウス栽培においては、ハウス内の植物の生育環境を制御するために、主として海外から輸入したシステムを使用しています。しかし、それは海外の比較的大規模なハウスを想定したシステムであるため、日本特有の小規模な農地面積にも適したシステムの実用化が求められていました。

 これらの課題を解決するため、デンソーはこれまで長年培った車載、家庭用空調システム技術や工場用制御技術を活用し、日本の小面積の農地や高温多湿な気候において、ハウス内の植物の生育環境を最適に制御できるシステムを開発しました。

2012年1月からは、愛知県豊橋市にあるトヨハシ種苗株式会社と共同で、試作機を実証ハウスに導入し、トマトの栽培における効果を検証してきました。2013年からは、愛知県、千葉県、熊本県の3地域でモニタ販売を実施しました。実際にご使用いただいた上でのご意見を訪問し聞き込み、製品開発に反映することで今回の発売に至りました。