英国、植物工場など農業のハイテク化に約118億円を投資

 イギリス政府は長期計画のもと、産業の高度化・ハイテク化に力を入れており「工業戦略チャレンジ・ファンド」の一つとして食料生産分野にも力を入れていく。

具体的には農業のハイテク化を進め、植物工場などの生産分野だけでなく、大規模な露地栽培における自動化(農機の自動運転など)も含め、AI、ロボット、流通・保管技術など ”農業・フード分野” を広く対象にして、9,000万ユーロ(約118億円)を投資する。

英国では、農業分野が今でも大きな産業の一つとなっている。農業従事者は国内で400万人近くとなっており、自動車産業よりも多い。

また、英国の農業技術は現在、143億ユーロの経済効果をもたらしている。企業や研究者も含めると農業技術には、50万人を雇用しており、近年ではドローンや3Dプリンタ等の研究開発が急激に伸びている。


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農業のハイテク化にて地方創生

 特に政府が期待を寄せているのが地方エリア。経済が低迷、失業率も高い傾向にある地方エリアでは、大きな農地も確保できることから実証場所としては最適である。

また、高度な技術スキルが求められるハイテク農業は、高い給与を得られることから、新たな職として注目されている。こうした職業に就職するため、農業技術系の大学や施設園芸の専門職大学院に通う学生も増えている、という。


具体的な投資先は今後に検討していくが、自動化を進めた大型の植物工場(太陽光利用型)、データサイエンスやビッグデータを活用したAI技術などに投資を行っていく計画。

農業のハイテク化には、工学・環境学・データサイエンスなど、分野横断的な人材・技術が必要となる。今回の投資について、政府では、産官学が連携する新たなプラットフォームをつくり、実証プロジェクトを優先的に進めていく予算でもある。

食・農業に関わる研究技術をリアルな農場で実証させ、実用化・商業化させることで、世界有数のハイテク農業(アグリ・フード技術)大国を目指していく、という。