9月28日にNASAが火星表面にて水が流れていたという確かな証拠を発見したというニュースが報道されてから、米国でも火星への有人探査計画やスペースシャトル・宇宙ステーションでの食料生産に向けた植物工場技術の開発など、研究者や企業による様々な計画が発表されている。
植物工場を利用した宇宙での食料生産は米国の他、ロシアや中国でも以前から研究が進められており、宇宙関連技術という対象まで広げると人工衛星なども農業分野での利用がスタートしている。
既に大規模な穀物生産などでは、人工衛星を利用し、農機具のガイダンス補助やモニタリングなどが行われている。
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こうした「宇宙」と「食・農業」を融合させた研究開発は英国でも同じようなことが考えられており、英国の経済発展とともに、世界的な人口増と食料増産問題の解決のため、農業における飛躍的な生産性を向上させる技術が求められている。
遺伝子組み換え技術、狭い面積でも効率栽培が可能な多段式栽培(植物工場)なども有望技術の一つであるが、栽培品目や面積・生産地に制限なく、流通・加工も含め「食全体のバリューチェーン」に広く利用・応用可能な技術として宇宙関連分野が有望視されている。
英国では、ナレッジ・トランスファー・ネットワーク(KTN)がコーディネーター機能を果たしながら、食・農業・宇宙産業の企業同士を結び付け、共同研究事業をスタートさせた。
そのために10月7日にはロンドンにてイベントも開催され、Innovate UKとNatural Environment Research Council (NERC)から実現可能性調査のために約5億円の補助金・予算を確保している。
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