株式会社相馬光学は、新タイプの太陽分光放射計「S-2440 model II(通称ひだまりmini)」を開発し、2015年1月より販売を開始する。「ひだまりmini」では、独自の測定方式である「イベントトリガ測定モード」の搭載により、従来は不可能だったフラッシュタイプのソーラシミュレータの発光スペクトルの評価も可能となった。
広い波長範囲において、感度の高い検知器、高性能の分光器、初心者でも使い易いソフトウエアの組み合わせにより、植物工場などで使用されるLED照明など人工光源の性能評価に対しても、精度の高い測定を容易に行うことが可能である。
主な特長
・迷光に影響されない高い精度測定
・低ノイズ設計による測定再現性の向上
・業界初の新方式となるパルス光との同期測定(イベントトリガモード)が可能
【新方式「イベントトリガ測定モード」について】
イベントトリガ測定の最大の特長は、「光が発光してから減衰するまでを時間の経過と共に測定が可能」と「トリガがかかった以前のデータも取得が可能」の2点です。
従来の装置では、発光した瞬間から後のデータしか取得ができなかったり、その瞬間のデータしか測定することができず、測定結果にバラツキが生じるという問題がありました。このイベントトリガ測定モードを活用することによって、それらの問題を払拭することが可能です。
<高い測定精度と実現性を向上>
昨今、太陽電池の品質や性能の向上に伴い、太陽分光放射計に求められるものとして、高精度かつ安定稼働な測定器が求められるようになってきております。その背景に基づき、同価格帯の他社メーカー製品に比べ圧倒的に高い性能を実現しているのが、今回の新製品となります。
迷光に影響されない高い測定精度
分光器内部光学部品、機構部品による不要な反射、散乱光が検知器に到達し、迷光となります。光量が少なく、装置感度の低い紫外領域に可視・近赤外波長の光が回り込み迷光となることが多く、カットフィルタにより評価が可能です。
発生する迷光量は、測定対象とする光源により変化するので、太陽光に近いスペクトルを持つソーラシミュレータを光源として評価しました。
低ノイズ設計による測定精度再現性の向上
測定誤差となる温度依存性、ノイズレベルを大幅に低減(従来比)。その全てをコントロールする回路基板を新規開発。「設計レベルから低雑音の回路設計」というコンセプトに基づき設計されており、従来機種と比較して性能向上を実現しました。