パナソニックの福島工場 デジカメ生産から植物工場としての拠点活用へ

 パナソニックは1月9日、福島工場(福島市)でのデジタルカメラの生産を今年5月末までにやめ、生産機能を山形工場(山形県天童市)と中国(アモイ市)の工場に移すと発表した。福島工場の従業員約300人は、配置転換などで雇用を維持する。今後は植物工場の拠点などで活用するという。

パナソニックの福島工場 デジカメ生産から植物工場としての拠点活用へ
福島工場にて稼働する同社の人工光型植物工場、WEBサイトより引用

 同社のデジカメ事業はスマートフォンに押され、2014年3月期まで2年間、営業赤字が続いている。山形や中国で比較的値崩れしていない高級機種をつくり、事業の黒字化を目指す。

 デジカメの主力工場だった福島工場は2004年から生産をスタートし、ピークの08年3月期に650万台を生産したが、収益の悪化に伴って徐々に中国へ移管。14年3月期には140万台にまで減っていた。2015年3月期のデジカメ事業の売上高は前期比1割減の616億円、販売台数は35%減の209万台を見込んでいる。