JR九州が大分県・熊本県にて農業参入。ニラ生産以外にも甘夏・ミニトマトの生産にも乗り出す/その他、養鶏分野など食・農業ビジネスの拡大をはかる

JR九州グループの農業生産法人「JR九州ファーム大分」は、7月から臼杵市で甘夏の栽培を始める。県内では初の農業参入となったニラに続く。ニラは昨年4月から大分市で栽培を開始しており、昨年度は1.5ヘクタールで約20トンを生産し、1千万円を売り上げている
 
 
甘夏の栽培の栽培について、同社では、佐志生地区の担い手がいない甘夏園約8アールを借りて社員が栽培する計画。初年度の生産量は約1.2トンを見込み、グループが経営する旅館や外食店舗で使ったり、直接販売をする。周辺の園地を借り受けながら、将来的に1ヘクタールまで栽培面積を広げる計画。
 
 
また、熊本県玉名市ではJR九州がミニトマト生産を開始することも発表されている。JR九州は9月をめどに、玉名市の約1.5ヘクタールのハウスで主にミニトマトを生産し、初年度は生産量120トン、出荷額1億円を目指す計画。2年目以降は200トンに引き上げる。同社は2010年4月、農業事業に初参入し、大分県の大分市、臼杵市に次いで、これで3カ所目となる。
 
 
同社の農業展開は鉄道以外の収益確保が目的。同社幹部は「将来的には農業の売上高を全体で100億円まで伸ばしたい」としており、玉名市でも大幅な増産を目指す。初年度は地元からパートなど十数人を雇用し、地域経済の活性化にも貢献したい考え。
 
 
関係者によると、同社は同市大浜町の干拓地・大栄地区で農家から水田2ヘクタールを借り、うち1.5ヘクタールで9月初旬までに風雨に強い鉄骨のハウス整備に着手。11月上旬にはミニトマトの苗の植え付けを始める予定。地元のJA大浜が生産指導や販売で協力。組合員農家との競合を避けるため、同社は地元で生産していないミニトマトの品種を生産する方向。
 
 
同JAは、同社との連携で、関西・関東向けに出荷している主力産品トマト類の販路拡大を目指す。同社産と合わせ九州新幹線車内でのPRや、JR博多駅ビルの百貨店でも扱ってもらうことで九州内での認知度向上も狙う。同社によると、ミニトマト栽培は農業生産法人を設立して始める計画であり、その他にも養鶏分野への参入も検討しており現在、参入形態や規模を検討中という。<参考:大分合同新聞など>