ヤマガタデザイン、JAと連携・有機農業を中心とした新ブランド「SHONAI ROOTS」立ち上げ

 山形県庄内地方で事業を通じて地域の課題を解決する街づくり会社「ヤマガタデザイン株式会社」は、地元JAと連携し、有機農業等の新ブランド「SHONAI ROOTS(ショウナイルーツ)」を立ち上げた。

ヤマガタデザイン、JAと連携・有機農業を中心とした新ブランド「SHONAI ROOTS」立ち上げ
山形県鶴岡市は、東北で2番目の農業産出額を誇る農業王国ですが、農業者の高齢化や担い手不足が深刻な課題となっており、市をあげて農業人材の育成、確保に向けたプロジェクト(※1)を推進し、全国的にも珍しい鶴岡市立農業経営者育成学校(SEADS)(※2)が来年4月に設立されるなど、取り組みが進められています。

本ブランドはそうした取り組みの一環として、付加価値の高い有機農産物等の販売を実現する体制を構築し、新たな就農者の獲得と農業者の所得向上を目指します。また、販売益の一部は鶴岡市立農業経営者育成学校(SEADS)の運営経費に還元され、地域で農業人材を育成する循環を創ります。


解決する課題
欧米先進国を中心とする世界の有機食品市場は既に10兆円を突破し、約10%の高い成長となっています。 一方で国内に目を向けると、有機農産物等を求める消費者は確実に増えているものの、有機農業自体の広がりは限定的になっています(※3)。

その要因としては、有機農業に取り組む農家は個人で独自にブランディングや販路開拓を行う場合が多く、その手間が非常に大きいため担い手が少ないことや、まとまった生産者団体が少なく、小売店が取り扱いをする上での最低取引ロットに届かないこと等があげられます。


得意分野をいかした役割分担
上記の課題を地域全体の仕組みづくりで解決したいと考えています。販売面ではヤマガタデザインとJAが連携し、これらの取り組みに対して共感してくれる取引先・販路を開拓、流通面ではJAが持つ物流網や代金決済機能等を利用することで、農業者のコストと労力を減らし所得の向上を目指します。

ヤマガタデザイン、JAと連携・有機農業を中心とした新ブランド「SHONAI ROOTS」立ち上げ
鶴岡市のプロモーションに対する支援も活用しながら、販路を拡大し消費者が購入しやすい販売チャネルを広げることで、マーケット拡大を目指します 。


取り組みの概要
① 鶴岡市農業人材育成・確保プロジェクトの一環として新ブランドを立ち上げ
 より付加価値の高い有機農業等の販売を実現していくことで、
 地域の農業者(SEADS 卒業生を含む)の販路拡大と所得向上を目指す。

② 有機JAS相当もしくは特別栽培の基準以上で栽培する農業者が、
 同ブランドを通じて、共通パッケージやJAの販売流通の仕組みを利用できる。

③ 収益の一部をSEADSの運営費として還元し、農業人材を育成する循環を創る

④ ヤマガタデザインは、販路拡大やプロモーション、出荷前の調整作業等を担当

⑤ JAは、物流網や代金決済機能等及び販路拡大を担当

⑥ 鶴岡市は、本ブランドのプロモーション支援を担当

⑦ 今後、消費者との交流機会(アグリツーリズム等)を創出


※1 鶴岡市農業人材育成・確保プロジェクト
将来にわたる鶴岡市農業の維持・発展を図るため、新規就農者や担い手の育成・確保を目的に、鶴岡市農業人材育成・確保プロジェクト推進会議を平成31年3月25日に設立。

この会議は、鶴岡市、山形大学農学部、東北芸術工科大学、鶴岡市農業協同組合、庄内たがわ農業協同組合、ヤマガタデザイン株式会社の6者を主体に、「旧いこいの村庄内」を鶴岡市立農業経営者育成学校として改修し、産学官の連携によって、地元農業者はもとより、首都圏等や農外から若者を呼び込み、市内への定着による就農に向けた人材の育成・確保のための仕組みづくりと具体的な取組みを進めることを目的としています。
https://www.city.tsuruoka.lg.jp/sangyo/agri-ninaite/jinzaiikuseikakuho.html


※2 鶴岡市立農業経営者育成学校(SEADS)
農業人材の育成・確保を目的に、鶴岡市が設立する学校。有機農業を中心に、経営に必要なすべてを、座学と実践を通じて学ぶ場所です。2020年4月に開校予定。
住所:〒997-1114 山形県鶴岡市千安京田龍花山1-1 (旧いこいの村 庄内)
http://tsuruoka-seads.com/


※3 データの出典: 農林水産省 令和元年8月 有機農業をめぐる事情
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/index-120.pdf