富士通では、農業生産法人などを対象にした農業クラウドサービスの提供、JGAP指導支援ツールの開発を行い、自社でも植物工場による生産も行っている。同社では、GAP認証などを取得した持続可能な食材を継続的に調達し、それらを使用したメニューを4拠点の社員食堂にて提供していく。
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■背景・目的
昨今、国際社会では様々な企業や団体が持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs (注2))の達成を図り、環境、経済、社会の分野で世界中の課題に取り組んできました。
SDGsの活動は多岐に渡り、2020年に開催される東京2020大会でも、環境問題のほか、人権・労働問題などにも配慮した運営を目指しています。
富士通グループもICTを活用し、GHG排出量削減や食糧供給の安定化など、様々な社会・環境課題の解決に取り組み、SDGsの達成に向けた活動を展開してきました。
当社は、サステナビリティの認知拡大や、これらを重視する姿勢を定着させる一環として、このたび持続可能な食材を継続的に調達し、社員食堂のメニューとして提供することとしました。
■食材の調達
当社はGAP認証などを取得した食材を用いて、「世界の料理」と銘打ったメニューを、富士通の社員食堂を運営するFJリフレ株式会社(注3)様の協力を得て、川崎工場(神奈川県川崎市)、本社事務所(東京都港区)、蒲田ソリューションスクエア(東京都大田区)、新川崎テクノロジースクエア(神奈川県川崎市)計4拠点の社員食堂で提供します。
■食・農業領域への取り組み
当社は、農業生産法人などに対して「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウドAkisai」を提供し、農業生産管理や経営管理などGAPを実施するのに必要となるデータの蓄積や分析を支援しています。
さらに、当社はJGAP指導員(注4)の指導方法および内部監査レベルの均一化や、指導の効率化を目的として、「智のWA! JGAP指導支援ツール」を開発しました。
本ツールは2018年10月に日本GAP協会推奨システムに選ばれており、ICTを活用した豊かな食の未来作りも支援しています。
また、富士通ホーム&オフィスサービス株式会社(注5)が、完全人工光型植物工場「会津若松Akisaiやさい工場」で生産する低カリウムのレタスやホウレンソウ、株式会社スマートアグリカルチャー磐田(注6)が生産するトマト、パプリカ、ケールなどでGAP認証を取得するなど、持続可能な食材の提供にも積極的に取り組んでいます。
注2 SDGs:
Sustainable Development Goalsの略。2015年に国連で採択された持続可能な開発目標。17の目標、169のターゲット、230の指標で構成。
注3 FJリフレ株式会社:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 阿加多繁樹。
注4 JGAP指導員:
JGAP導入を図る農場やJAなどの生産者団体に対して、指導や相談に乗る要員。
注5 富士通ホーム&オフィスサービス株式会社:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 植栗 章夫。
注6 株式会社スマートアグリカルチャー磐田:
本社 静岡県磐田市、代表取締役社長 須藤 毅。
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