住友化学は、シンガポール農食品獣医庁(AVA)と共同で取り組んでいる都市型農業モデルの開発プロジェクトで、8月から、AVAの研究施設のビル屋上での本格的な栽培実証試験を開始する。
本プロジェクトでは、限られた国土で食料供給力を向上させるため都市型農業を推進しているAVAと、農業関連事業をグローバルに展開する住友化学が共同で、日本の技術をベースにした、都市部のビル屋上での農業モデルの開発を進めています。
2015年からまずは地上の農業用ハウスで栽培試験を始め、熱帯気候であるシンガポールで、日本で実績のあるカネコ種苗株式会社の養液栽培システムを検証し、良好な結果を得られました。
・過去の関連記事 住友化学、シンガポール政府と都市型農業PJ開始。屋上スペースでの植物工場も視野に
今後はビル屋上に新設した農業用ハウス内での実証試験に移行し、生産性や品質の向上に取り組みます。また、これまで試験を行ってきた地上のハウスでは、葉物野菜を中心に栽培試験を続け、品目の拡大を目指します。
引き続きシンガポール国家開発省ならびに経済開発庁からの支援を受けながら、住友化学がプロジェクト全体を統括し、住友化学アジアが現地運営を担います。
また、日本のカネコ種苗株式会社ならびにシンガポールのAVAおよび高等教育機関のニーアン・ポリテクニックの協力を得てプロジェクトを進めていきます。
住友化学は、今後、流通システムなどの調査も進め、2018年をめどに、持続可能な都市型農業モデルを確立し、将来的にアジアを中心にグローバルに展開していく考えです。
<栽培施設の概要>
・立地:シンガポール農食品獣医庁ポストハーベストテクノロジーセンター屋上
・ハウス面積:265平方メートル
・設備内容:農業用ハウス、養液栽培プラント(栽培制御機器、栽培ベッド5列等)
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