ノエビアグループは、ホッカイトウキ根抽出物が真皮細胞外マトリックスの主要なタンパク質であるコラーゲンの産生を高めるだけでなく、コラーゲンの3本鎖らせん構造をつくる分子や、線維径に関連する分子を増加させるなど、多段階に作用することでコラーゲン線維の形成を促進することを明らかにしました。
今後は有用成分を明らかにするとともに臨床的検討を進め、機能性の高い化粧品の開発に応用する予定です。なお、この研究成果を2017年8月26日~27日に福岡で開催される第34回和漢医薬学会にて発表いたします。
【研究の背景】
ノエビアグループは2015年より自社農場「北海道暑寒別岳パイロットファーム」の有機JAS※1圃場(ほじょう)において、土壌肥沃度指標(SOFIX)※2を用いたオーガニック栽培により薬用植物を栽培し、その有用性と成分の研究を進めてまいりました。
セリ科シシウド属の多年草であるホッカイトウキ(Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino)は古くから婦人薬として広く利用されています。
美容に対する効果と機序を明らかにするため、自社農場にて栽培し収穫したホッカイトウキ根の抽出物が皮膚細胞へ及ぼす影響について研究を行いました。
※1 有機JAS:有機食品の日本農林規格
※2 SOFIX:土壌肥沃度指標(Soil Fertile Index)。有機栽培をはじめとする物質循環型農業に望ましい土壌成分の量とバランスを数値化する診断指標 http://sofixagri.com/
【研究の方法】
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)にホッカイトウキ根抽出物を毒性のない濃度で添加し、細胞外マトリックス関連因子の発現変化を解析しました。
【研究の成果】
1. ホッカイトウキ根抽出物の添加により真皮を構成するI型コラーゲンやIII型コラーゲン、真皮と表皮を隔てる基底膜の構成成分であるIV型コラーゲンの有意な増加が認められました<図1>。
2. コラーゲンの3本鎖らせん構造をつくるヒートショックプロテイン47や、コラーゲン線維経の制御に関わるデコリンの有意な増加が認められました<図2>。
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現