オーストラリア・メルボルンを拠点とする最先端の農業関連技術「アグリテック分野」を支援する ”スプラウトX” が、創業段階のベンチャー企業へ支援する公募プログラムについて、100社以上の応募の中から11社を選定した。
11社のアグリテック・スタートップ企業には、植物工場の他にも、IoTセンサーやブロックチェーンなど、食・農業ビジネスに関連する幅広い技術テーマを取り扱う企業が選定されている。
選定されたベンチャーには、IoTや農業クラウドを利用したソフト開発から、家庭用のタワー型水耕キットの開発を行っているApplant社など、多彩な企業が含まれている。
選定されたベンチャー企業には、6カ月間のオフィス・スペースと、専門家によるアドバイス、そして資金として4万ドルが各社に提供される。
その他、オーストラリア国内に巨大な農業ネットワークを持つRuralco社やFindex社など、国内大手企業で本プロジェクトの支援パートナー企業などを通じて、デモ製品のテスト販売なども可能だ。
オーストラリアは近年、オランダ技術を応用しながら自国気候にマッチした太陽光利用型植物工場の開発・運営でも成功する企業が出現しており、農業大国の一つである。しかし、オランダ、イスラエルや米国などから技術移転・導入するケースが多く、自国オリジナルの革新的な農業技術は生まれていない。
アグリテック・ベンチャー企業への投資額では、米国が22億ドルに対して、わずか480万ドルにとどまっており、新しい技術をゼロから育て上げる文化は希薄である、といえる。
こうした課題を解決するためにも、本プロジェクトでは、さらに有望企業については次のステージに移行し、スプラウトXのプロジェクトファンドである1000万ドルの中から、1社あたり最大で100万ドルの資金提供を受けることも可能である、という。
〇 スプラウトX http://sproutx.com.au/
〇 Applant社 http://www.applant.com.au/
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