富士通・オリックスなど、大型 植物工場のスマートアグリカルチャー磐田を設立

 富士通、オリックス、増田採種場と静岡県磐田市は共同で新会社を設立し、植物工場などICT技術を活用したスマートアグリカルチャー事業への展開を本格化していく。4月1日に「株式会社スマートアグリカルチャー磐田」を設立、富士通が51%、オリックスが39%、増田採種場が10%を出資する(資本金は1億円)。

富士通・オリックスなど、大型 植物工場のスマートアグリカルチャー磐田を設立富士通・オリックスなど、大型 植物工場のスマートアグリカルチャー磐田を設立
本事業は、事業主体となる3社に加え、高度な専門性をもつ種苗会社、高い栽培技術をもつ農業生産者、流通・食品加工会社、自治体、学術機関、農業機械・資材メーカーなど、業種・業態を越えた企業・団体の知見を融合させ、食・農全体のバリューチェーン(種苗~生産~加工・出荷~販売など)の構築を目指す。


富士通・オリックスなど、植物工場などICT技術を活用したスマートアグリ事業を本格展開
共創による事業の実現
事業主体となる富士通、オリックス、増田採種場に加え、高度な専門性をもつ種苗会社、高い栽培技術をもつ農業生産者、マーケット感度の高い流通・食品加工など、業種・業態を越えた複数の企業・団体によるオープンな共創を基盤とします。


新たなビジネスモデルの創造
1.生産・加工事業

マーケットイン型の農業生産事業を実現するため、開発プロセス、マーケティングプロセスにおいて、種苗・栽培技術・流通を適切にミックスした事業モデルを実現します。

本事業においては開発の起点である、種苗会社、農業生産者に流通企業の考え方をタイムリーに取り込むビジネスモデルを創造します。

具体的には、ICT/テクノロジーを活用した高度な環境制御が施された栽培施設を使用し、季節や天候、場所に影響されず、安定的な大規模・効率生産を行います。

将来的には、加工プロセスを付加し、実需者のオーダーに幅広く対応可能な体制を整備し、生産~加工・出荷~販売のバリューチェーンの構築を目指します。


2.インフラアウトソーシング事業
「強い農業づくり」のためには、自然環境や市場環境の変化に対応しながら、調達・品質・コストなどを安定させる高度な事業インフラの構築が必須です。本事業において構築された、「高度な環境制御が施された種苗・栽培施設」、「効率的なオペレーション」、「堅牢なセキュリティが施されたデータマネジメント」を、自社の事業インフラとして活用するのみならず、種苗会社・農業生産者に提供してまいります。


3.種苗ライセンス事業
日本では、様々な付加価値のある品種が開発されてきましたが、その多くが脚光を浴びずに埋もれてしまっています。その原因の1つには、種苗会社~生産者~流通・食品加工会社が連動しきれていないことがあると考えています。

この3分野の事業者が有機的に一体化するビジネスモデルを構築し、これまで埋もれていた品種の高付加価値化を実現します。さらにそこで生まれた様々なナレッジや技術を権利化し、農業における新たなライセンスビジネスへ進化させてまいります。


施設概要/施設面積
ケールハウス 約0.5ha
トマトハウス 約1.2ha
パプリカハウス 約1.8ha
葉物野菜ハウス 約0.7ha
種苗研究ハウス 約0.5ha


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