植物工場システム開発・製造の株式会社キーストーンテクノロジーは、販売・施工の株式会社アグリ王と共同運営する菜園「新横浜LED菜園」で生産した野菜を、オイシックスが運営する有機や特別栽培の農産物など安心食品宅配を提供するインターネットサービス「Oisix」「Oisix恵比寿三越店」にて、2015年4月より本格販売をスタートした。
販売品目は高栄養野菜の “きくベジシリーズ” 4品目、ハーブミックス品3品目および単品10品目の全17品目。
“きくベジシリーズ” の「キレイをつくる ビューティーリーフミックス」やハーブミックスシリーズの「サラダ用ハーブミックス」を中心に販売展開します。
<キーストーンテクノロジーの野菜生産>
当社では独自開発したR・G・B(赤・緑・青)光独立制御LED型植物栽培ユニット「AGRI Oh!」を用い、2013年2月よりアグリ王と共同で「新横浜LED菜園」の運営を行っています。
一般的な植物工場産野菜としてレタスが挙げられますが「新横浜LED菜園」では植物工場事業における収益性改善のため、レタス以外の高付加価値・高単価品目の生産に力を注いできました。
同菜園では、国内市場流通量の少ない野菜品目を含め、100品目以上の高付加価値・高単価野菜の生産に成功しています。
~光質コントロールによる機能性野菜の生産に成功~
当社では、10年にわたる研究期間をへて、栽培品種ごとに最適な栽培光質バランスを赤・青・緑色光によりコントロールすることで野菜の機能性成分含量を増やすことを明らかにし、機能性野菜の商品化に成功しました。
今後は本技術により様々な機能性野菜や医療機関向け野菜の開発を進めます。栽培光質のコントロールは単色光LEDの組み合わせにおいてのみ可能な技術であり、蛍光灯や白色LED等の光源では対応できません。
LED型植物栽培ユニット「AGRI Oh!」は、AGRI Oh!専用コントローラにより約17万パターンの光質を制御することが可能であり、目的に合わせた最適な光質環境で機能性野菜を栽培することができます。
~ハーブの多品目生産・高品質化~
当社では、ハーブ類において大手食品会社、老舗洋食店のアドバイスの元、生産力および品質の向上に努めてきました。
植物工場産のハーブは「香りが弱い」「えぐみが強い」「食味が悪い」など、品質面で課題がありましたが、「新横浜LED菜園」では栽培時の光質コントロールにより品質を改善することに成功しました。
現在では、その品質の高さが評価され、多くの青果バイヤーやシェフから支持を得ています。
季節により産地が限定される季節性の強い品目(スウィートバジルなど)においても通年安定的に一定価格で供給し、病害虫のつきやすい品目(アブラナ科など)においても農薬を使わずに生産できることは、植物工場ならではのメリットといえます。
<野菜販路開拓を徹底支援>
植物工場事業の新規参入には、野菜の販売先の確保や運用コストに見合う販売価格の調整が必要になるなど、植物工場新規参入者の障壁が数多く存在します。
このため、植物工場事業は助成金・補助金を活用するケースが多く、自己資金のみで収支を成立させることは難しいと考えられています。
新横浜LED菜園産の野菜・ハーブ類は4~40円/gと、一般的な植物工場産レタスの販売価格2円/g程度と比較して2~20倍程度での取引価格であり、収益性を大きく改善させることができます。
「新横浜LED菜園」における販路先への出荷は「全国50か所のAGRI Oh!システム導入者および新規植物工場参入者」に順次、委託する予定です。キーストーンテクノロジーでは、植物工場新規参入者による販路先確保・販売価格調整の必要をなくすことを目標に、今後も積極的に野菜の販路開拓支援を行っていきます。
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