ドローン(無人航空機)の安心安全なシステム操作環境とセキュアなクラウドサービスの構築に向け「セキュアドローン協議会(http://www.secure-drone.org/)」が6月1日に発足した。
協議会では、参加社各社(6社)が持つ、先端ドローン技術、セキュリティ技術、IoTクラウド/組込ソフトウェア関連技術、エネルギー管理システムといったICT関連技術の知見と経験を生かしてドローンの安心安全な操作環境及びデータ送信環境の確立を目指す。
活動第一弾として、先進事例となっている米国の精密農業での取り組みを参考しながら、6月から北海道旭川市と沖縄県にて精密農業におけるドローン利活用の実証実験を開始する。
■北海道旭川市クラークホースガーデンでの実証実験ならびに体験教室開催の概要
1.安心安全な操作環境の実証
2.農産物(トウモロコシとイモ)の生育画像情報を安全にクラウドサービスに上げる実証
3.生育画像情報の解析
■沖縄県での実証実験概要
1.クラウドサービスでビックデータ化した育成データを農産物(稲、アセロラ)の育苗解析(病や生育状態)に適用
2.昼夜のリアルタイム生体監視を応用した害獣動向解析(カピバラが野生化し害獣化)
3.農作物育成に適した環境分析
■「精密農業」とドローン
近年飛躍的な進展を遂げているドローン関連の世界市場は、現在中心であるホビー用や一部の業務用途から、精密農業、物流、監視、遠隔操作など適用範囲が広がり2015年で44億ドル、2020年には110億ドル規模まで成長する(*1)ことが予測されています。
(*1:出展 調査会社 フロスト&サリバン)
「精密農業」とは農地・農作物の状態を良く観察し、きめ細かく制御し、農作物の収量及び品質の向上を図り、その結果に基づき次年度の計画を立てる一連の農業管理手法(農林水産省)であり、米国などでは2000年代初頭より導入されている概念です。
農業のインテリジェンス化は、画像解析やリモートセンシングなどのツールを活用することで農場の状態情報のデータ化を行い、それを様々な視点・知見から分析することで、収穫量の増加や低農薬化、付加価値化などを実現するものであります。
米国では自動化・センシング化のツールとしてドローンが活用されており、調査の自動化や肥料量の分析、病気の診断と適切な農薬散布、灌漑などのメンテナンス費用の低減化などを実現することができ、米国連邦航空局(FAA)も、ドローンの農業活用には前向きな姿勢を見せています。