セコム株式会社のグループ会社であるセコム工業株式会社は、自社の植物工場・セコムハイプラントで栽培している生ハーブからエキスを抽出した原料と、地元の温麺「白石うーめん*」の乾麺製造を手がける、はたけなか製麺株式会社と共同で温麺の商品開発を行い、4月までに販売を開始する。
これは、東日本大震災からの復興を目指し、白石市にある地元食品メーカー4社と連携して名産品を開発するものです。
はたけなか製麺のほか、菓子製造の有限会社仙加苑は、セコムハイプラントで製造されるミントを使ったゼリーや餅を開発する予定です。また、漬物製造を手がける蔵王ピクルス株式会社はイタリアンパセリを使った漬物を、そしてかまぼこメーカーとはバジルなどを練りこんだ新製品を開発する予定です。
開発された商品は、各社の既存の販売ルートのほか、セコムが厳選した食品を通信販売する「セコムの食」での取り扱いも検討しています。
*「白石うーめん」:400年の歴史と伝統を誇る白石温麺(うーめん)は油を使用せず、小麦粉と塩分のみで作られるため舌ざわりがなめらかで胃に優しい白石市の名産品。
セコム工業の植物工場「ハイプラント」で作られるハーブは、セキュリティシステムの製造で培った監視制御技術などを応用し、無農薬栽培はもちろんのこと、周年安定した供給を実現させています。地元企業と協力して震災復興の一助となることを目指し、ハーブの効能などを生かした新商品の開発に取り組んでまいります。
■ セコムハイプラント
セコム工業はセコムのグループ会社で、セキュリティシステムの研究開発から製造、販売、設置工事、監視、緊急対処、保守までをトータルに行う一貫体制の中で、セキュリティ機器の開発・製造を行い、社会に「安全・安心」を提供しています。
セコム工業は、そうした中で、(1)食の分野での「安全・安心」の追求(機器製造と同様な生産計画に基づく植物の製造と季節に左右されない安定供給)と(2)今まで製造技術で培ったセコムのセンサーと監視制御技術の応用に目を向け、1989(平成元)年8月、ハーブを生産するセコムハイプラント(株)(セコム(株)とセコム工業(株)の共同出資、2001年11月1日付でセコム工業(株)に吸収合併)を設立しました。
「食の安全」とは、無農薬栽培はもちろんのこと、周年安定した供給をすることにあります。セコムハイプラントの事業コンセプトである「計画生産できる品種」について様々な野菜を実験栽培しました。その上で、下記を考慮し、ハーブを選定しました。
(1)ハーブは播種から出荷まで約1カ月周期で生産することができ、水耕栽培に適している
(2)地元の農産物と競合をしない
(3)当時イタリアンブームでハーブの需要が増えていた。
そして1990年7月、セコムの「かおり」という商品名で築地・仙台市場へ出荷を開始しました。
現在は、完全制御型植物工場と太陽光併用型植物工場内において、蔵王連峰の地下水系から湧き出た自然の水を利用した水耕栽培により、16品目のハーブを高品質(無農薬で色・形・香りが抜群)で、周年一定量をお客様に供給できる体制で生産、販売しており、“セコムのハーブ”は、東京市場(築地、大田)や仙台市場で評判の高いブランドになっています。
「ハイプラント=high plant」の由来
「high」は高価値の・高機能の・高度な・特殊な・先進的な、などの広義があり、「plant」は植物と設備/施設です。これらを掛け合わせ「高価値・高機能の植物を生産する高度で先進的な施設」との意味合い。
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