インプレス総合研究所は、国内のドローンビジネス市場の動向を調査し、その調査結果を発表した。日本国内の市場規模は503億円と推測され、今後も農業分野が牽引し、2024年度は3,711億円規模へと成長すると推計されている。
■2017年度は前年度比42%増の503億円、2024年度には3711億円に拡大
2017年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は503億円と推測され、2016年度の353億円から150億円増加しています(前年比42%増)。
2018年度には前年比71%増の860億円に拡大し、2024年度には3,711億円(2017年度の約7倍)に達すると見込まれます。
分野別に見ると、2017年度は機体市場が210億円(41.7%)と最も高く、サービス市場が155億円(30.8%)、周辺サービス市場が138億円(27.4%)と続きます。
2024年度においては、サービス市場が2,530億円(2017年度の約16倍)と最も高くなり、機体市場が730億円(2017年度の約3.5倍)、周辺サービス市場が451億円(2017年度の約3.3倍)に達する見込みです。
■非GPS環境下での安定飛行の実現により、インフラや構造物点検での活用が進む
機体市場は、DJIのMAVICなどに代表される小型機の性能が向上し、手軽に扱えるようになったことで、小型機の業務活用への検討がはじまりつつあります。
2018年度以降は、ドローンの業務活用のパーソナル化(ドローンの携帯化)が進んでいくことが予想されます。
また、陸上や水中など空以外のエリアでも無人機の開発・販売が進み始め、業務への活用の検討が始まっています。
サービス市場において、すでに市場が形成されつつあるものは、農薬散布や空撮、土木測量、ソーラーパネル等の設備点検などです。災害調査では、公共だけでなく、損害保険会社の損害査定で活用がはじまっています。
2018年度以降は、非GPS環境下での安定飛行といった課題が解決されつつあることと、ドローンによる検査システム(自動航行やデータ管理システム)が開発されたことにより、インフラ(橋梁やトンネル等)や構造物点検(工場、ビルなど)がより一層進むことが予想されます。
また、人口集中地区以外における目視外飛行について、ガイドラインが策定されることにより、離島や山間部等での拠点間物流や広域調査でのドローン活用が進んでいくとみられます。
また、エンドユーザーへの投資対効果をより明確にすることによって、ドローンを活用したサービスの定着、拡大が進んで行くとみられます。
周辺サービス市場のうち、バッテリー等の消耗品の販売額、定期メンテナンス費用、任意保険については機体市場の拡大に合わせて成長していくと予想されます。
調査報告書の販売について
書名 :ドローンビジネス調査報告書2018
著 :春原久徳/中畑稔/インプレス総合研究所
編 :インプレス総合研究所
発行所 :株式会社インプレス
出荷開始日:2018年3月26日(月)
価格 :CD(PDF)版 85,000円(税別)、CD(PDF)+冊子版 95,000円(税別)
判型 :A4判
ページ数:416ページ
詳細、ご予約は右よりご覧ください。https://book.impress.co.jp/drone2018
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