米国では新たな農業技術に大きな投資が集まっている。米国にて農業ベンチャーと投資化のマッチングサービスを行っているアグ・ファウンダーによると、2015年の半年間にて約20億6,000万ドルが農業技術に投資され、去年の1年間の投資額である23億6,000万ドルに迫る勢いだという。
農業技術の対象は土壌や植物、さらには生産性を向上するためのシステムやドローン等の無人飛行機なども全て含まれている。
こうした農業技術への投資の中で、共通したテーマとして化学肥料・殺虫剤などの削減が挙げられる。米国で広く普及しているモンサント社が開発した殺虫剤「グリホサート」が、WHOによって今年、発がん性物質として健康に問題があると発表されたことも背景にあるだろう。
そこで自然界にある昆虫・菌類に注目があつまっており、化学的なものではなく、生物農薬といったテーマの開発に力を入れる企業も増えている。
例えば生物由来の殺菌剤を研究開発するベンチャー「アグ・バイオーム社」は、モンサントやシンジェンタ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団等から3,450万ドルの投資を受けている(上写真は同社WEBサイトより)。
その他、先月も米国のイントレキシオン社が、オックスフォード大学発ベンチャーで害虫による作物への影響をコントロールする技術を持つオキシテック社を1億6000万ドルで買収している。
一方では、ローカルフードの市場拡大によって、太陽光・人工光型植物工場による都市型農業への投資も2013年頃から加速しており、米国では、こうした投資傾向が今後も続くと予想されている。
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