植物工場レタスの生産コスト、8年間で50%減。1株あたり100円前後へ

 完全人工光型植物工場について、補正予算による大型補助金にて次々と建設・稼働した2010年と2018年現在を比較すると、施設数は50カ所にも満たない状況から約200カ所(2017年)にまで増加し、 リーフレタス1株あたりの生産コストも平均して50%減 を実現しており、業界も大きく変化している。

弊社では10年以上に渡り、植物工場ビジネスをウォッチしてきたが、今までの情報を整理しながら、今後の予測やビジネスチャンスについて分析してみたい、と思う。

※ 以下、リーフレタス1株80g前後を想定して話を進めていく。

植物工場レタス、かつては300円以上で販売

 2009年補正予算にて、政府による大型補助金が投入され、植物工場施設が建設・稼働し、多くの野菜が市場へ流通するまで、植物工場にて生産したリーフレタス1株の小売価格は300円~350円にて販売されていた。

植物工場レタスの生産コスト、8年間で50%減。1株あたり100円前後へ
左) 完全人工光型植物工場レタス
右) 太陽光利用型植物工場レタス
当然ながら、この価格帯にて購入する消費者は少なく、高値でも販売できる百貨店など限られた販売先でしか見かけることが無かったが、今では全国のスーパーにて、何かしらの植物工場レタスが販売されていることが多い。

現在の植物工場レタス、小売価格150円~200円で販売

 現在(2018年)の植物工場レタス1株の小売価格は150円~200円。近隣に大型の施設があれば流通コストも抑えられ、スーパーでも150円前後で販売されているケースもある。

リーフレタス1株の販売価格も、ここ8年間で半額となっており、多くの消費者が手に取りやすい金額になりつつある。

さらに、300円以上で販売していた当時、植物工場ビジネスは、補助金が無ければ成立しないものであったが、現在では、販売価格が半額になっているにもかかわらず、 大型施設を継続的に稼働させ、ノウハウを確立しながら、販路を確保している一部の企業は、黒字化を達成している事例もある 

光源は高圧Na⇒蛍光灯⇒LEDへと進化をとげる

 大幅な生産コスト減につながった最も大きな要因は『光源』である。2017年にて蛍光灯を採用した施設(新規)は全体の5%以下、つまり現在にて 新設された植物工場の95%以上がLEDを採用 していることになる。

2010年時点では商業施設にてフルLED化をしている施設はゼロであり、メインの光源は『蛍光灯』であった。

植物工場レタスの生産コスト、8年間で50%減。1株あたり100円前後へちなみに、それ以前の光源は『高圧ナトリウムランプ』が主流であった。

1990年前後から、完全人工光型植物工場による野菜の生産を行っているキューピー社の栽培システム「TSファーム」では、この高圧Naランプが採用されている。

このキューピー社による自社施設の他、ライセンス先の10数カ所の施設のうち、一部は今でも稼働しており、植物工場に関する歴史の変遷を実際に見ることができる。

高圧Naランプは、強い光量が確保できる一方で、熱が発生するため、現在のような多段式による近接照射ができず、面積あたりの収量も低かった。

植物工場レタスの生産コスト、8年間で50%減。1株あたり100円前後へ
生産・販売していた植物工場レタス。キューピー社による当時の資料より

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