米国ベンチャー、植物工場による野菜を学校へ販売。回転率・生産効率の良いミニ野菜を中心に

 2015年に設立したインフィニット・ハーベスト社も完全人工光型植物工場による生産・販売を行っているベンチャー企業の一つである。こうした人工光型に挑戦するベンチャーは米国にて急増しているが、同社が他施設と異なる点は、販売ターゲットを地元の学校に設定している点だ。

同社を設立したトミー・ロマノ氏は、2000年代の始めから自室の一角にて試験栽培をスタートし、様々な野菜の最適条件を見つけるため、試行錯誤を繰り返した。
同氏は、コロラド大学にて宇宙工学の修士課程を修了しており、科学的な生産方式や繰り返し行う栽培実験には慣れていた、という。

こうした試行錯誤によって得たノウハウを活用して設立した同社では、赤・青・白色のLEDを組み合わせながら、13種類のマイクログリーンとリーフレタス(日本でいうボストンレタスのような商品)を生産している。

光源だけでなく、養液の循環や栽培室内の温度・湿度・CO2濃度などは棚ごとにコントールできるように一括システムを導入し、各センサーによる取得データは、Wifiを通じてクラウドに保存されている。

米国ベンチャー、植物工場による野菜を学校へ販売。回転率・生産効率の良いミニ野菜を中心に
マイクログリーンのサイズは、モヤシのようなスプラウド類とベビーリーフの中間くらいの商品で、黄色のコーン、セロリ、ルッコラなど、様々な商品を生産している。

こうしたマイクログリーン商品のメリットとしては、収穫までの日数が短く、回転率が良い商品であること。そして、高さのない施設でも、植物の丈が短いので、多くの段数を確保できる点(生産効率が良い)にある。