インテグリカルチャー株式会社は、細胞培養の研究に基づき2019年に開発した宇宙用調味料「スペースソルト(食べられる細胞培養液)」を活用し、地球・宇宙で食べることが可能な宇宙用ピクルス「スペースソルト・ゼリーピクルス」を開発した。
2020年10月19日より開始したクラウドファンディングREADYFORにて、サポーターへのリターン(返礼品)として提供する。
この度、2030年代に培養肉で作ったハンバーガー用パテを使ったハンバーガーを宇宙(火星基地、月面基地等)で地産地消することを最終ゴールに「スペースバーガープロジェクト」を立ち上げました。
今回は将来にわたるプロジェクトの序章(第1弾)として、ハンバーガーの具材でもあるピクルスを題材とし、宇宙用ピクルス「スペースソルト・ゼリーピクルス」を商品開発しました。このプロジェクトでは、宇宙という極限状況における「サステナブルな食生産」「食のQOL」にチャレンジします。
■スペースバーガープロジェクト立上げの経緯
本企画は、宇宙でのサステナブルな食生産と食のQOLを追及するプロジェクトであると同時に、地球におけるタンパク源危機や環境負荷問題等について関心をもってもらい、一緒に社会課題解決を考えるプロジェクトでもあります。
現在、各国にて月面基地構想や火星移住構想などの本格的な検討が進められており、近い将来に長期の有人宇宙活動が実現する可能性が高まっています。
月面や火星などにおける長期の有人宇宙活動をサステナブルに行うためには、現地での食料確保が不可欠であり、少ないリソースで効率的に食料を生産することのできる技術が求められています。
宇宙での食料生産技術として、各国では、植物工場や藻類培養を中心に検討が進んでいますが、タンパク源の確保や食の満足度(QOL)という観点で大きな課題を残しています。
そうした課題がある中、将来の代替タンパク源の1つとして注目されているのが動物細胞を培養して食肉生産する培養肉です。食肉市場は、世界的な人口増加や経済成長に伴い、需要が急拡大しています。
しかし家畜による食肉生産には膨大なリソース(飼料、水、土地、等)を必要とし、メタンガス排出などで地球温暖化への影響も大きいため、持続不可能になっています。
国連食糧農業機関(FAO)によると、食肉需要は2050年に2007年比で1.8倍になると予測しており、今後家畜による従来肉だけではタンパク質需要を賄うことができなくなります。そうした課題の解決策の1つが培養肉です。
KEARNEY(旧A.T. カーニー)のレポートによると、食肉市場は2040年までCAGR3%で成長し、2030年になると食肉市場割合の内、従来肉70%、代替タンパク源30%(植物肉20%+培養肉10%)、2040年になると従来肉40%、代替タンパク源60%(植物肉25%+培養肉35%)の構成比になります。
当社は、培養肉生産の核となる技術(CulNet System、当社特許技術)を活用して細胞農業を推進し、将来的に培養肉を市場供給(レストラン提供:2025以降、一般提供:2027年以降)していきます。サステナブルでクリーンな食肉供給を通じ、社会課題の解決にアプローチしていきます。
こうした課題は、個々人にとっても差し迫った社会課題の1つであるため、皆様にも身近に感じて頂けるよう、「宇宙で培養肉を使ったハンバーガーを作る!」をコンセプトに掲げた「スペースバーガープロジェクト」を立上げ、クラウドファンディングで共感頂けるサポーターを募集することにしました。
培養肉は現在研究開発段階にあり、店頭に並ぶのは数年先となるため、スペースバーガープロジェクト第一弾は「序章」という位置づけとしました。ハンバーガーの具材でもあるピクルスを題材として、宇宙で生産し食べられる条件に整えて開発しました。
<スペースバーガープロジェクトのロードマップ>
2020年:宇宙用調味料配合「スペースソルト・ゼリーピクルス」提供(今回)
2021年:地球産の培養フォアグラを使用した培養フォアグラバーガーを提供
2025年:地球産の培養肉を使用した培養肉バーガーを提供
203X年:月面基地産の培養肉を使用した培養肉バーガーを提供(地産地消)
203X年:火星基地産の培養肉を使用した培養肉バーガーを提供(地産地消)
※上記で使用する野菜・肉はすべて宇宙で生産可能な食材
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