信州大などの産学連携、ナスの普及促進を目的とした「機能性野菜ナスコンソーシアム」を設立

機能性野菜ナスコンソーシアム準備委員会(代表:信州大学学術研究院農学系准教授 中村浩蔵)は、8月6日に機能性野菜ナスの普及促進を目的とした「機能性野菜ナスコンソーシアム」を設立した。

信州大などの産学連携、ナスの普及促進を目的とした「機能性野菜ナスコンソーシアム」を設立
本コンソーシアムは、農研機構生研支援センター革新的技術開発・緊急展開事業うち経営体強化プロジェクト「新規機能性成分によるナス高付加価値化のための機能性表示食品開発」(2017年度~2019年度)の研究成果の普及・活用を目指して発足し、産学官問わず幅広い機関、企業が参画しております。

会員に対してナス機能性表示食品の届出サポートや、ナスに豊富に含まれる新規食品機能性成分であるコリンエステルの分析受託、機能性野菜ナスに関する共同研究・受託研究等のコーディネートを行い、機能性野菜としてのナスの普及に努めます。

すでに、本コンソーシアム事務局である信大発ベンチャー・(株)ウェルナスが、ナス高機能化プロの成果を基に、ナス由来コリンエステル(アセチルコリン)を機能性関与成分とするナスサプリメント「ウェルナスサプリ(届出番号F129)」の届出を完了(受理)しており、今後、生鮮ナスおよびナスを原料とする機能性表示食品が増えていくことが期待されます。


■コンソーシアム会長・中村准教授のコメント
ナスは、1000年以上にわたり栽培されてきた日本の主要農産物の1つです。どんな料理にでも使える淡白な味わいですが、近年、需要が低迷しております。

ナスには、生体に働きかけて健康を維持・増進する作用、いわゆる食品機能性が無いと思われてきたことが原因の一つだと思われますが、ナス高機能化プロで2018年に行った臨床試験で、世界で初めてナスの食品機能性(血圧改善、気分改善作用)を明らかにすることができました。

そして、先日、ナスを原料とした機能性表示食品が誕生し、ナスが機能性野菜として認められました。栄養価に乏しく機能性が期待されなかったナスにとって革新的な出来事です。

この機能性は、栽培作物ではナスにだけ豊富に含まれる新規な食品機能性成分・コリンエステル、特に、アセチルコリンによって引き起こされると考えられます。ナスは今が旬です。おいしいナスをたくさん食べて、皆さんの健康に役立ててもらいたいと思います。


■機能性野菜ナスコンソーシアムの概要
名称: 機能性野菜ナスコンソーシアム
会長: 信州大学学術研究院農学系准教授 中村浩蔵
目的: 産学官が有機的に連携し機能性野菜ナスを活用した健康の維持・増進、疾病の予防を実現する機能性食品などの開発を推進、ナス栽培を活性化し、ナス・イノベーションに資すること

事業内容:
1. 農研機構生研支援センター革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)「新規機能性成分によるナス高付加価値化のための機能性表示食品開発」の研究成果の普及・活用
2. 生鮮ナスおよびナスを原材料として含む食品の機能性表示食品の届出サポート
3. 生鮮ナスおよびナスを原材料として含む食品に含まれるコリンエステルや機能性成分の分析
4. ナスの栽培、機能性食品としての利用に関する相談や共同研究・受託研究等のコーディネート
5. ナスの食品機能、ナス機能性食品に関する情報提供
6. 会員相互および関連研究者との交流


参画機関数:17機関(2020.8.6現在)
年会費: 一般会員 年額10,000円、個人会員 年額5,000円
 *発足後の参画は、コンソーシアムHP内で随時受付
 *大学等教育機関、国公立試験研究機関の会員においてはこの限りでありません

ホームページ: https://nasuconsortium.wixsite.com/eggplant-consortium


■参画機関一覧(2020.8.6現在)
信州大学(会長:学術研究院農学系 准教授 中村 浩蔵)、農研機構(副会長:野菜花き研究部門 野菜育種・ゲノム研究領域 ナス科ユニット 主任研究員 宮武 宏治)、野菜で健康研究所(株)(副会長:代表取締役 中田 光彦)、愛媛大学(顧問:大学院農学研究科 教授 菅原 卓也)、(株)ウェルナス(事務局:代表取締役 小山正浩)、高知県農業技術センター、熊本県農業研究センター、群馬県農業技術センター、福岡県農林業総合試験場、関西大学、(株)ADEKA、(株)サラダコスモ、JA高知県、三井食品工業(株)、タキイ種苗(株)、(株)アースリンク、信州東福寺小森なす本舗