プラスチック製品の受託製造メーカー、株式会社テクノラボでは、海洋プラスチックゴミをアップサイクルして作った製品シリーズとして「ブランドbuøy(ブイ)」を正式販売する。
本製品は昨年末reBirth(リバース)としてクラウドファンディングを実施。今後buøyとして継続的にECサイトを通して海岸沿いに住んでいない人でも海洋ゴミ問題に関われる仕組みづくりを目指します。なおbuøyの製造技術は特許出願済み。ECサイトでの予約販売は7月14日よりスタートします。
テクノラボはプラスチック製品のデザイン設計と製造を本業としています。昨今のプラスチックゴミが海に流出し生態系に及ぼす問題を心苦しく感じてきました。一方で今のコロナ禍で気づくように、衛生面などでプラスチックは便利な素材であり全てのプラスチック製品を否定することはできません。
漂着した海洋プラスチックゴミは劣化しており、材料ごとに分別してリサイクル材として活用することは容易ではありません。また日々大量に流れ着く海洋ゴミで、安易な製品を大量に生産してはさらなる悪循環を生み出します。そこで、これらゴミの背景を活かした『人々に海の現状を知らせるアイテム』をつくれないかと思ったことが本ブランド立ち上げへのきっかけです。
buøy(ブイ)の製品は市販のプラスチック既製品に比べ個体差があります。これはプラスチックの大量生産特性を重視するのではなく、長く大切にされる製品にしたいとの思いから一点一点違う模様が現れる製造方法をとっているからです。
従来のプラスチックの品質基準にはあてはめず、どうやったら人々の心を動かすプロダクトになるかを基準に作り上げてきました。ユーザーが悩みながら選んで購入し、長年大切にする工芸品のような存在になって、いずれ海洋プラがなくなりプロダクトが作れなくなることこそが目標です。
海岸の立地や地形、潮の流れといった要因で海岸に漂着するごみは変わってきます。対馬などでは海外のカラフルなごみが多いですが、湘南では波によって砕かれたマイクロプラスチックが多くなります。
他にも、海水浴場のそばでは飲食ごみが、畑のそばだと農業用品などが風にのって混ざります。buøy(ブイ)はそうした地域や季節に由来する表情の異なったプロダクトが生まれることが特徴です。
ECサイトオープン後しばらくは関東近郊のビーチクリーンで採取されたごみを使って製作しますが、ゆくゆくは日本各地のごみを材料にしたものを製作することを目指しています。
【buøy(ブイ)】
海洋ゴミを材料にしたプロダクトブランド。プラスチックメーカーの有志によって技術開発し、クラウドファンディングを経て製品化。海洋ゴミのように劣化しプラスチックの種類がわからない状態でも成型する技術において特許出願中。2020年7月よりreBirth改めbuøyとして一般販売を開始した。
[サイト] http://www.techno-labo.com/rebirth
[facebook] https://www.facebook.com/plastech.project/
[instagram] https://www.instagram.com/plas_tech/
[クラウドファンディングページ] https://camp-fire.jp/projects/view/209060
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