ソフィア総研、排熱や地域資源を活用した温室ハウス向け冷却・加温システムの実証開始

 インターネット関連事業を展開するソフィア総合研究所株式会社(SRI)は、再生可能エネルギーを手がけるクラフトワーク株式会社と連携し、宇都宮市大谷地区にて新たに開発した農業用ハウス向け・温冷却システムの実証実験を行う。

ソフィア総研、排熱や地域資源を活用した温室ハウス向け冷却・加温システムの実証開始

本システムは、農業用ハウスの温度管理を行うシステムです。本システムには3つの特徴があります。

第1の特徴は年間を通じて低温(5〜10℃)を保つ大谷地区採掘場跡の貯留水に注目した冷却システムです。この地下水を利用することで消費電力エネルギーを削減することができます。

第2に、ディープラーニング・AI・ブロックチェーン等の需要で増加中のGPU※1やサーバー・ネットワーク機器を稼働させたときに発生する排熱を利用する加温システムです。これまで大気中に放出されるだけだった熱エネルギーを再利用することでエネルギー効率を高めることができます。

第3に、大谷地区で採掘できる大谷石を利用した温度管理システムです。大谷石は熱効率が高く、地域の特産品の新たな使い道として地域経済に貢献することができます。

※1 GPUとはGPU(Graphics Processing Unit)とは、コンピューターの画像処理に特化したプロセッサのことです。


システムの概要
■農業用ハウス

大谷の地下冷水と大谷石の特性を活用した独自の室内環境を供給し、農業・事業者らに利用してもらう。農業用途としては地元の特産品である大谷いちごの栽培用ビニールハウスなどを予定。

ソフィア総研、排熱や地域資源を活用した温室ハウス向け冷却・加温システムの実証開始

(1)システムの目的
地域資源を活用して地元経済の活性化に貢献すると共に、消費電力エネルギーを抑え低酸素社会の実現に寄与することを目的としたシステムです。

(2)3つの特徴
本システムには「1.冷却」「2.加温」「3.温度管理」の3つの特徴があります。


1.冷却システム
主に夏季に利用する冷却システムでは、大谷地区の地下水を利用します。大谷地区には年間を通じて5〜10℃に保たれた低温地下水があります。この地下水を活用することで消費電力エネルギーを削減します。


2.加温システム
主に冬季に利用する加温システムでは、AIやブロックチェーンなどで必要なGPUやサーバー・ネットワーク機器を稼働させる際に発生する排熱を利用します。従来の施設からは大気中に排熱するだけだった熱エネルギーを冬季の暖房に利用することでエネルギー循環型システムを実現します。
またこれらの機器を稼働させる際の冷却に大谷地区の地下水を利用することで冷却にかかる電力エネルギーを削減します。


3.温度管理システム
地下水と排熱を利用した温度管理システムには、大谷地区で採掘される大谷石を利用しています。大谷石には熱効率が高いという特徴があります。ハウス内の温度調節に大谷石を使うことで、地元特産品の活用と同時に高いエネルギー効率を実現したシステムを作ることができます。