日本唯一の有機JAS認証の菌床キノコメーカー、株式会社ハルカインターナショナルは、「キノコの女王」とも表現される、希少なキノコ、キヌガサタケの人工栽培に成功した。量産型の商用人工栽培では、国内初の成功事例という。来季から本格栽培を行い、高級料理店などに、フレッシュな状態の食材として提供する。
天然のキヌガサタケは、アジア、北アメリカの一部に生息していますが、国内では絶滅が危惧されるキノコの一つとなっています。
日本では夏期、主に竹林に発生が見られ、鶏卵のような丸い球体(幼菌)から、短時間に棒状の子実体が現れ、白い網のようなマントを広げることなどから、「キノコの女王」と称されています。
古来から中国で宮廷料理の希少な食材として珍重され、現在では、高級料理店では、乾燥品を水戻しをして、スープの具材などに利用しています。
ハルカインターナショナルでは、日本で唯一の有機JASキノコの生産技術を活用して、2017年からキヌガサタケの人工栽培の準備を進めてきました。
培地方式と呼ぶ栽培方法で、竹林伐採から得た竹チップの発酵物などを栄養材にしながら、発生環境を整えてきました。
この結果、7月中旬から約150平方メートルの栽培棟で、数百個ほどの幼菌が順次、地表面に現れ、現在では、一日数百個のキヌガサタケの収穫ができるようになりました。
キヌガサタケは、同じ培地栽培方式のアガリクスと同様、短時間に劣化が進みますが、冷蔵管理すれば、1週間近くは食材として活用できることも確認しました。今後、冷凍管理などの可否なども試行します。
食材としてのキヌガサタケは、主に中国産の乾燥品が、日本国内の高級中国料理店などで使われています。ハルカインターナショナルでは、乾燥品ではなく、生のフレッシュなキヌガサタケを食材として提供いきます。今夏の栽培成功品は、東京銀座の高級料理店などに、モニター出荷を提供していきます。
キヌガサタケは、全国で問題となっている放置竹林問題の解消策の一つにもなります。国産キクラゲの日本最大メーカーでもあるハルカインターナショナルは、農場周辺の広葉樹などを菌床原料に活用し、廃棄菌床を優良な堆肥とする循環型農林業も行っています。
環境保全志向がある他企業とともに、環境グリーンボンドなどを活用した事業拡大の検討も開始しました。
詳細URL https://www.sn-conso.jp/cont6/main.html
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