九大と富士通、AIを活用した農業生産の共同研究を開始。独自の植物機構モデルで生産高度化・安定性向上

 九州大学と富士通は、農業生産の高度化と安定性向上を目指し、カメラ画像による自動計測データに植物機構モデルを組み込んだAIエンジンの開発について、2018年4月より2年間、農業分野における共同研究を実施する。

九大と富士通、AIを活用した農業生産の共同研究を開始。独自の植物機構モデルで生産高度化・安定性向上
具体的には、九州大学の生体計測技術で計測された草丈や葉面積などの植物の生育状況と、植物理論に時空間変動情報(注1)を取り入れた独自の植物機構モデルを、富士通が今回開発するAIエンジンに組み込み、成長速度や収穫時期などをリアルタイムに予測します。

また、それらの予測に基づき、生産現場における植物の生育を制御することで、需要にあわせた効率的な植物栽培を実現しうる仕組みを研究開発します。


【共同研究の概要】
共同研究では、九州大学が保有する交互な植物生体計測・評価技術に、富士通の高い認識精度を持つ画像処理技術を取り入れ、カメラで植物の画像データを取得し、成長を示す草丈、葉数、節間長、茎径などの状態を自動で計測する技術を開発します。

また、それらの計測データと九州大学の植物機構モデルを組み込んだ富士通の AI エンジンにより、植物の品質や目標とする収穫時期に向けた最適な環境条件を導き出し、生育状況にあわせた環境制御を行う仕組みの実現を目指します。


場所
九州大学 伊都キャンパス(所在地:福岡県福岡市)内のスマートハウス

九州大学
 ・植物の生育環境および生体情報の計測技術の研究・開発・提供
 ・植物機構モデルの実環境への適用に向けた検証
 ・局所適時環境調節技術(注3)の実環境への適用に向けた研究・開発
 ・スマート農業教育プログラムの開発と実施

富士通
 ・植物機構モデルの、AIエンジンへの組み込み
 ・生体計測における、画像処理技術を活用した植物の特徴量抽出と成長推定
 ・AIエンジンを活用した植物の成長速度や収穫時期の予測、環境制御の最適化
 ・上記の要素技術を統合した植物の栽培を支援する仕組みの構築


【注釈】
(注1)時空間変動情報:時間や位置、場所により変化する情報。今回は光合成・転流など成長に関わる情報。