ヤマハ発動機株式会社は、水稲栽培での“田植”や“直播(じかまき)”の前後に遠隔操作で除草剤散布作業ができる無人ボート「WATER STRIDER」(ウォーターストライダー)を開発し、農業関係者に向けて4月25日に発売する。
WATER STRIDER」は、水田を滑走しながら除草剤を船底から散布する全長約1.6mの無人ボートで、エンジン駆動のプロペラによる風で推進し、操縦は専用送信機で行います。(免許不要)
本モデルは、ボートやプール製造などで長年培ってきた艇体技術の一つであるFRP加工技術を活かして設計、視認性を向上させたグラフィックのデザインとしています。
【「WATER STRIDER」の主な特徴】
1)業界初の着脱式カセットタンク(※2)の採用により薬剤補給がスピーディ
2)軽量ボディと艇体形状による優れた滑走性と旋回性(水深5cm以上で滑走可能)
3)ボート開発技術を応用した画期的な衝撃吸収材(※3)の採用
4)全国に広がるサービスネットワーク(※4)
※2 着脱式カセットタンクは1個が標準装備。積み替え予備用に単体販売もあります
※3 衝撃吸収材は特許出願中
※4 アフターサービスは全国のヤマハ無人ヘリ取扱店が承り、充実した部品供給・メンテナンスをおこないます
名称:「WATER STRIDER」
発売日:2017 年 4 月 25 日
メーカー希望小売価格:972,000 円 (本体価格 900,000 円/消費税 72,000 円)
販売計画:150 台(年間、国内)
【開発の背景と企画ポイント】
政府は農業生産コストを現状より 4 割削減する目標を定め、国内の農業現場ではさらなる「農地集約」「規模拡大」にともなって、作業の機械化や効率化が求められています。
水稲生産の現場では、「育苗から耕起・施肥・田植・除草・防除・刈取・脱穀」など多岐にわたる作業があります。
特に田植または直播前後に行う除草剤散布では、畦(あぜ)からの投げ込み方式が従来では中心でしたが、「WATER STRIDER」は遠隔操縦により容易に水田を滑走、除草剤を散布し、作業の省力化を図ります。
当社は 1987 年に産業用無人ヘリコプターを発売し、除草剤・殺虫殺菌剤などの散布に加え、近年では空中から籾(もみ)を直接撒く直播もおこなうなど広く農作業で利用されています。
約 30 年にわたる無人ヘリの水稲生産現場への導入・実用化を通じて得た経験と、ボート製造のノウハウを取り入れた無人ボートをラインアップに追加し、より一層農業の効率化・低コスト化に貢献します。
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