佐賀県農林水産部と佐賀大学、佐賀有明海漁協、農林中央金庫、NTTドコモおよびオプティムは、佐賀有明海域における主要産業である「ノリ養殖」におけるIoT/AI/Robotの活用を行うために「6者間連携協定」を締結した。
本連携協定は、ドローンやICTブイ、スマートフォンなどのIoT機器の活用や、それらの機器から取得されたデータをビッグデータとして、AIを用いて解析を行い、ノリ養殖の品質および収量の向上、病害対策、海苔漁家の作業軽減などの課題解決に貢献することを目的としています。
協定に参加した6者は、実証実験を進め、ノリ病害や赤潮に対しての発生予測や対応策の検討を行います。
実証実験では、世界初のLPWA・セルラー通信機能搭載固定翼型ドローン「オプティムホーク」や、NTTドコモが提供するICTブイなど最新のIoT機器の活用、AI(人工知能)を用いたビッグデータの分析を予定しています。
※ 2017年3月13日時点、オプティム調べ。LPWA・セルラー通信機能を搭載した固定翼型ドローンとして。
※ LPWA:Low Power Wide Areaの略、少ない消費電力で、数キロ単位の距離を通信できる無線通信技術の総称。
※ ICTブイ:通信モジュールとセンサーを搭載しており、取得するデーターをクラウドサーバーへ送信する仕組みを持つ、係船や航路標識のための浮標。
■~第4次産業革命型水産業をめざす~海苔養殖における「IoT活用6者間連携協定」とは
ノリ養殖における「IoT活用6者間連携協定」とは、13年連続で海苔生産量日本一を誇る、佐賀有明海域において、ノリ養殖の品質および収量の向上、病害や赤潮対策、海苔漁家の作業負担軽減や所得向上をめざして、行政、大学、漁協、金融、通信、IT各分野のスペシャリストである6者が合意した連携の枠組みです。
佐賀県、佐賀大学、オプティムでは2015年8月に第4次産業革命型農業の実現をめざす、三者連携協定を締結しており、今回は三者連携協定の成果を水産業へ活用すべく開始する取組みとなります。
本連携協定を通じて、佐賀ノリの生産量向上や、品質の安定化を実現し、高品質の佐賀海苔を世界中の人に届けることをめざします。
■佐賀有明海域のノリ養殖における6者間連携に基づくIoT活用の実証実験概要
・病害対策(アカグサレ病等)
ICTブイから取得されたセンサーデータならびに、ドローンにより取得した空撮画像をビッグデータとして「OPTiM Cloud IoT OS」上に蓄積・管理し、AIを用いて解析を行うことで、秋芽網期のノリに発生しやすいアカグサレ病をはじめとする各種病害の発生しやすい状況をより早く検知し、この情報を漁業関係者へ早期案内します。
・赤潮対策
固定翼ドローンを用いて取得した空撮画像を「OPTiM Cloud IoT OS」上に蓄積し、赤潮発生個所をマップ化することで、赤潮の広域的な発生状況を漁業関係者へ早期案内し、対策を講じてもらいます。また、ICTブイから取得された水質データを「OPTiM Cloud IoT OS」上に蓄積し、AIを用いて赤潮の発生状況と各種水質データの因果関係を分析いたします。
・世界初のLPWA・セルラー搭載固定翼型ドローン「オプティムホーク」の実証
オプティムが開発・提供する「アグリドローン(マルチコプター型ドローン)」および、このたび、新しく発表する「オプティムホーク(固定翼ドローン)」に対して、NTTドコモが提供する各種セルラー通信(LTE、LPWA)を搭載し、飛行中のドローンへのリアルタイム通信の実証実験を開始いたします。
・ICTブイと「OPTiM Cloud IoT OS」との連携
ドコモが提供するICTブイと「OPTiM Cloud IoT OS」を連携させ、収集されたデータを「OPTiM Cloud IoT OS」上に蓄積・管理し、AIを用いて解析することで、病害対策など、より高度な生育調査を実現いたします。
また、次年度より以下の実証実験を推進する予定です。
・カモ被害、バリカン症対策
ノリの養殖現場において、養殖中のノリの葉体が1cm前後を残して消失してしまう「バリカン症」が発生し、問題となっており、「バリカン症」の原因として、カモの食害によるものと、水あたりによる生理障害があることがわかっています。
ノリを食べるカモを追い払う対策として、ドローンや音、エサなどを用いて対策を行ってまいります。さらに、ICTブイから取得されたセンサーデータから、海水の塩分濃度などの環境状況を調査し、もう一つの原因である水あたりによる「バリカン症」が発生する条件などの調査を行う予定です。
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