株式会社スカイディスクが展開する「生鮮食品のフードバリューチェーンを強化するIoTソリューション」事業が、平成28年度NEDO、第2回公募「研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援」として採択された。
■「生鮮食品のフードバリューチェーンを強化するIoTソリューション」の詳細
今回支援対象となる事業は、契約農家から一般家庭やレストランなどの消費者に直接生鮮食品を届ける「生産物流企業」とタッグを組み、生産者から消費者に生鮮食品を届けるまでの物流の品質を監視、コンサルティング、保証するものである。
社会背景として、インターネットの普及によりネットスーパーや有機野菜の宅配事業などのサービスが増え、高齢化社会や健康志向の高まりといったニーズに応えるためにサービスも成熟しつつある。それらのサービスを支える生鮮食材の宅配事業の多くは、高レベルな品質を保つことが要求されている。この分野の市場拡大につれて競争も激化しているので、生鮮食品を「鮮度を保ったまま」供給することは各生産物流企業にとって大きな事業ニーズである。
生鮮物流企業は、生鮮食品の鮮度管理が難しくデリケートな商品の破棄率が高いため、食材の品質保証ができないといった事業課題を抱えている。
これらの課題に対して、当社のセンサデバイスである「SkyLogger」を利用しデータを集積、汎用型人工知能の「Skydisc AI」で生鮮食品の管理をするといった取り組みを適用し、本助成金でより強固なエコシステムを確立している。
【助成事業として採択された「物流」分野と「農業」分野の事例】
1.物流:トラック内の環境可視化
温湿度、衝撃、GPS(位置情報)などの情報を収集し、トラック内の環境をリアルタイムで可視化。
温湿度変化に弱い食品や壊れやすい物品でも、破損がいつ・どこで・どういった原因で起こるのかを分析、安心した配送サービスを提供できる。
2.農業:ハウス内環境の計測
温湿度、照度、CO2などのセンサを使い、ハウス内の環境を可視化することで、見回り頻度の最適化。
「育成予測」やハウス内の環境緊急時に携帯・パソコンに「緊急アラート」などを送ることができ、閾値も自由に設定可能になる。
■スカイディスク
スカイディスクは“誰でも簡単に使える”IoT(Internet of Things)ソリューションを開発し、様々な分野にサービスを提供している。IoTの実現を簡単にスピーディーに提供するために、「センサデバイス」「通信」「AI分析クラウド」をワンストップで提供している。
センサデバイスは温度、加速度、GPSなどの14種類から3つを選んで付けられる、着脱可能なloTセンサデバイス「SkyLogger」を使用している。着脱式のため多分野への応用が容易で、コスト削減にも繋がる。
通信デバイスは鉄筋のビル一棟や広大な農園をアンテナ1つでカバーし、乾電池だけで3年使用できる「LoRaWAN™」の技術を使った「Skydisc LoRa ゲートウェイ」を採用し、AC電源不要で低価格な通信が可能になる。
AI(分析クラウド)は汎用型人工知能である「Skydisc AI」を採用し、データ蓄積データベースとAI基盤を提供、データ分析を行うことができる。農業、物流、保全といった分野ごとに情報の可視化を行うアプリケーションまで提供し、安価でスピーディーなIoTプラットフォームを実現した。
会社名:株式会社スカイディスク
本社所在地:福岡市中央区大名1-9-27 第一西部ビル601
代表者:橋本 司(代表取締役CEO)
設立:2013年 10月 1日
事業内容:IoTセンサデバイスの開発、IoT通信環境の構築、IoT分析(AI)クラウドの構築、IoT分野別サービスの提供
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現