住友商事、ブラジルにおける「農業生産マルチサポート事業」に参入

 住友商事は、ブラジル最大の穀倉地帯、マットグロッソ州の農業生産資材問屋「アグロ・アマゾニア社」の株式(65パーセント)を取得することで合意した。この出資により、住友商事はブラジルにおける「農業生産マルチサポート事業」に参入します。マットグロッソ州において、日本企業が本格的な農業関連投資を行うのは初めてのケースです。

 ブラジルは世界有数の農業大国であり、大豆の生産量は世界第2位、トウモロコシの生産量は世界第3位を誇ります(図1)。中でも中西部に位置するマットグロッソ州は、日本の2.5倍の広大な土地をもち安定した気候に恵まれていることから、大豆やトウモロコシ、肉牛や綿花を始めとする農畜産物の最大生産地となっています。

同州における大豆等の作付面積は近年大きく拡大しており(図2)、今後10年間も毎年4〜5パーセントの拡大が見込まれ、これに伴い農業生産資材(農薬・種子・肥料など)市場も毎年約5〜8パーセントの成長が期待されます。

住友商事、ブラジルにおける「農業生産マルチサポート事業」に参入

 アグロ・アマゾニア社は、1983年に設立され、唯一マットグロッソ州全域に展開する、同州最大級の農業生産資材問屋です。
大手農薬・種子・肥料メーカーの農業生産資材とともに畜産業向け資材を取り扱っており、販売先農家は2,500軒、畜産農家は14,000軒にのぼり、その広範な品揃えときめ細かな技術サービスや物流サービスは、サプライヤー・顧客から高い評価を得ています。

また、近年は今後の成長が期待される近隣州への進出も加速させており、当社参画後はさらなる事業基盤の拡大を進めます。市場の成長を取り込み、ファイナンス・物流・調達・マーケティングなどの当社機能を発揮することで、2019年までに売上高5億ドル(現在の2倍超)を目指します。