障害者の就労を支援する高知県安芸市と土佐市の事業所が、食品安全に関する国際規格「FSSC22000(食品安全マネジメントシステム)」の認証を取得した。障害者施設としては国内第1号で、高知県内でも取得自体が初めて。両事業所は「利用者の働く意欲や自信につなげたい」と意気込んでいる。
安芸市の社会福祉法人「安芸市身体障害者福祉会」が運営する「Miraie(ミライエ)」と、土佐市の同じく「太陽福祉会」が運営する「第2太陽福祉園」。
「ミライエ」は利用者と雇用契約を結ぶ「就労継続支援A型事業所」で、知的障害のある利用者6人とパティシエら職員3人が洋菓子などを製造販売。ゆず茶とバウムクーヘンなど焼き菓子3種の加工で認証を受けた(写真は同社ウェブサイトより)。
「第2太陽福祉園」は、利用者が事業収入に応じた報酬を得る就労継続支援B型事業所。知的障害者を中心に20人が野菜の食品加工などを行っており、認証は地元産ネギを使った4種のドレッシング加工で取得した。
FSSCは、食品安全認証財団(オランダ)が開発し、日米などの大手小売業者で組織する非営利団体「国際食品安全イニシアチブ」が承認した国際規格。国内では約800社、四国では香川県の日清製粉坂出工場など3県の6社が取得している。両事業所は「安心・安全の根拠を目に見える形で消費者に示したい」「一般企業への就労に向け、利用者のスキルアップにつながる」と挑戦した。