工場の制御装置開発のエーシートライは、発光ダイオード(LED)を使ったイチゴの水耕栽培装置を開発した。成長に適した波長を選べるLEDの特長を生かし、露地栽培に比べて栽培期間を短縮できる。
家庭用のインテリアとしての用途のほか、葉物野菜など栽培できる品種も増やして野菜工場などの需要も開拓する。
※ 写真は同社WEBサイトより
水耕栽培用の台と、その上に用意したLED光源との組み合わせで育てる。新潟県の特産品であるイチゴ「越後姫」を栽培したところ、露地栽培なら6カ月ほどかかるのに対し、3.5カ月で収穫できたという。
LEDは赤と青の波長を用意。葉の正常な成長には青の波長、光合成には赤の波長が最も効果が大きく、それぞれの波長の照射時間を調整して成長を促進する。水に入れる液肥の濃度を調整する制御装置の開発と合わせ、人手をかけずに栽培できるようにした。
装置は幅80センチ、奥行き40センチのプランター大の大きさで、1台でイチゴ6株を栽培できる。3台セットで30万円、より小型のものを5万円以下で売り出したいという。家庭向けにホームセンターなどへ売り出すほか、屋内で栽培できることから小規模な事業所などからの引き合いもあるという。
装置開発に関連した各種技術を個別に販売することも検討。本格的な農業用としてコンテナを使った植物工場の開発も考えており、葉物野菜などの栽培条件を研究する。
事業用には電気代などが課題になるため、今後も栽培期間の短縮など改良を加える。同社は工場設備のコンピューターシステムの制御装置開発などを手掛け、新規事業として長岡市のフロンティアチャレンジ補助金を活用して開発した。
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