データに基づく管理が品質や収量の安定・向上、省力化などに役立つほか、担い手を確保する手だてとしても期待できるためだ。ただ、投資コストに見合う効果の検討は欠かせない。ITを活用した“もうかる農業”の実現には、メリットや課題に対する生産者の理解が重要になる。 アクトいちごファーム(宇佐市)はイチゴハウス内の日照量、温湿度、二酸化炭素量、土の肥料濃度などをセンサーで把握するシステムを構築した。数分置きに更新されるデータをスマートフォンで確認し、それを参考に窓の開閉や施肥量などを判断している。導入2年目となっている。 同社の小野社長は「勘頼みの作業が減り、失敗の少ない栽培方法が見えてきた」と説明。後継者不足が深刻な農業だけに、「蓄積したデータを基に作業をマニュアル化すれば、誰でも従事しやすくなる」と期待する。ITを生かせば、生産や販売の実態が明確になり、経営状況の把握も容易になる。白ネギなどを15ヘクタールで栽培する衛藤産業(豊後大野市)は昨年、農地ごとの土地利用率や資材コスト、人件費などを総合的に管理するシステムを導入した。同社・衛藤専務は「経営の改善点が見つけやすくなった」という。 農業のさまざまな課題解決に有効とされる技術だが、ケースによっては多額の投資を伴う。20年前からITを活用し、ミツバの高値販売を実現している育葉産業(豊後大野市)の栗田社長は「便利さだけを求める安易な導入は、無駄も生みかねない。どこにITを使えば利益につながるのか、費用対効果の十分な検討が大切だ」と指摘している。<参考:大分合同新聞より> ]]>
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