セイコーマートは野菜の自社生産を拡大する。栽培する野菜の種類を増やし、今春には使用する野菜の約1割を占めるキャベツの栽培に乗りだす。2012年の全野菜の生産量を前年比6割増の1200トンに引き上げる。東日本大震災を機に原材料の安定調達が課題となっている。猛暑や寒波による価格高騰リスクにも備えて、自社生産に力を入れる。 同社はグループで4つの農業生産法人を抱え、道内でキュウリやトマト、レタスなどの野菜を栽培している。収穫した野菜はサンドイッチの具材やカット野菜など、自社製造の弁当・総菜に活用。すでにキュウリとトマトは収穫時に全量を自前で賄っている。キャベツの栽培を今春始めるのは、グループの農業生産法人「滝川アグリ」(滝川市)。 キャベツは数量ベースで同社で扱う全野菜の13%を占め、タマネギ(16%)に次いで多い。これまで栽培に適する土地がなく自社生産していなかったが、今回、滝川市内で道から5ヘクタールの農地を借りることができ、栽培のめどがついた。 キャベツの年間取扱量約900トンのうち、15%を自前で確保する方針だ。使用頻度の多いキャベツなどが加わることで、2012年の自社生産量は前年比6割増の年1200トンとなる見通し。年内には別途、農地を手当てし、キャベツ以外にもこれまで生産していなかった野菜を栽培する考えだ。 野菜価格は天候に左右されやすく、天候不順の日が続けば市場価格が高騰してしまう。同社は「100円総菜」など割安感のある弁当・総菜が顧客の支持を集めている。野菜の仕入れ価格が上昇しても店頭価格に反映するのは難しいため、自社生産を増やすことで収益の安定性を高める。自社生産の増加は災害リスクの回避にもつながる。 東日本大震災では道路や鉄道の寸断で、メーカーからの野菜供給が滞り、一時品不足に陥る小売店も目立った。同社の場合、自社生産を進めていたことで、震災の影響は軽微で済んだという。<参考:日経速報ニュースなど> ]]>
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現