昭和電工は発光ダイオード(LED)照明を使った植物工場向け部材のトータル提案をはじめる。LEDは消費電力が少なく植物育成に最適な波長の光を出せる。一方で、初期導入コストが高く、最適な栽培方法も確立されていないことが、普及の足かせになっていた。そこで、価格を従来の半分にした照明器具をはじめ、植物工場向け製品群を総合的に提案。容易に栽培できる仕組みをつくり、利用拡大を図る。
まず、LED植物工場向けに最適化した照明器具と栽培棚の販売からスタートする。2012年中に、LEDの光に適した反射材や水溶液など品ぞろえを増やす。LED照明器具は長さ1.2mの標準的な蛍光灯1本相当で、1万円前後。器具メーカーとの協力で開発し、光量と防湿対策という必要条件以外を徹底的に省いた。
LED素子は同社製で、植物育成に最適な波長の光を高出力で出せる。従来品は同サイズで2万円超と、器具合計での初期コストは蛍光灯の3〜4倍だった<写真:同社HPより>。
栽培棚は同社の照明器具を組み合わせて使うことで、LEDの光が棚の植物全体に均一にあたるように設計した。アルミ製のため放熱性に優れる。LEDは直線的な光のため、照明器具の配置によっては棚の中で光量にムラが出て作物のできが悪くなる。栽培棚以外にもグループ各社で協力し、LEDのメリットを発揮できる周辺部材をそろえる。最適な栽培方法も顧客とともに開発する。同社は植物育成に最適な波長660nmの赤色光を、3元系素子の約4倍の出力で出せる4元系素子を販売している。<参考:asahi.comより>