太陽光を利用した縦型・タワー型の植物工場を展開する、グリーンリバーホールディングス株式会社の傘下であるグリーンラボ株式会社は、昨年より全国各地に建設しているSAF(スマートアグリファクトリー)において、同社独自の縦型水耕栽培装置「Bi-Grow」(バイグロウ)を用い新規農業参入事業者の参画を推進し、バジルの生産をスタートさせている。
そして、より効率の高いフードサプライチェーンの構築を目指し、佐賀県鳥栖市にHUB(集荷場兼バジル買取センター)を設置。9月中旬より稼働を開始させることを決定した。
※集荷場+買取センターの事をHUB(ハブ)と呼称します。
【バジルの概要】
バジルは国内でも栽培されているが、農業従事者の減少と高齢化により生産量は年々減少傾向にある。また「べと病」と言う病害により生産量はさらに減少している。加工用原料となるバジルは大手加工メーカーを始め調達が困難となっており、海外からの輸入品が多くを占めている。
しかし、安心安全な国産バジルを求めるニーズは年々高まっており、輸入品から国産品への切り替えが急務となっている。
【SAF(スマートアグリファクトリー)事業】
これまでの同社のSAF事業は、5千万円程度の大きな投資が必要であった。参入希望者数は多いものの、初期投資額の大きさから実際に事業参入する企業が限定されてしまっていた。
農業参入障壁の一つにこの大きな投資があり、同社はより多くの参入希望に応える仕組みを今年2月より検討開始。小規模システムを利用した生産物買取制度を実施する為、HUB(集荷場兼バジル買取センター)の設置を今年5月に決定し、9月中旬稼働を目指す。
【小規模投資により農業事業参入障壁を下げる】
これまで大きな投資を行わなければ参入困難であった植物工場事業。今回のHUB稼働により、比較的少額な投資(100万円程度~)による事業参入が可能となった。
【買取可能エリアについて】
同社は、生産物の買取可能なエリアについて、今回稼働のHUBまでの運搬時間が半径1時間程度のエリア内とし、北部九州エリア流通拠点である佐賀県鳥栖市を選定。
このHUBの設置により、福岡県・佐賀県・熊本県の一部・大分県の一部が買取可能エリアとなり、これまでのSAF事業のネックであった「参入場所が限定されている」という課題解決に繋がることとなる。
また、生産物の買取に関しては、同社が指定する買取条件をクリアすることで、参入事業者は同社へバジルを販売することが可能。
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