福井鉄道株式会社とヤマト運輸株式会社は8月8日より、ローカル線の路線網維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的として、福井県越前市と池田町の間で「客貨混載」を開始する。
背景
町の総面積90%を山地が占め、冬は積雪の激しい池田町では、周辺の都市に出るために、町内唯一の公共交通機関であるバスの利用が不可欠です。しかし、近年の少子高齢化と人口減少に伴う乗客の減少により、路線網の維持が課題となっています。
ヤマト運輸は、全国の自治体や企業と連携し、サービスの向上とともに地域の活性化や課題解決を図る「プロジェクトG(Government)」を推進しており、路線バスや鉄道などによる「客貨混載」を全国各地で実施しています。
このたび、路線網維持と池田町での地域サービスの向上を目指して、福井鉄道とヤマト運輸は荷物を路線バス(福鉄バス)で運ぶ「客貨混載」を始めます。北陸地方において、客貨混載は初の取り組みとなります。
取り組み内容
越前市と池田町を結ぶ路線バスを利用して宅急便を輸送します。ヤマト運輸のセールスドライバー(SD)が、ヤマト運輸芝原センターにて、池田町のお客さまに配達する宅急便を路線バスに積み込みます。
その後、路線バスは越前(えちぜん)武生(たけふ)駅からお客さまと荷物を乗せて運行し、稲荷にて地域担当SDに荷物を引き渡します。
メリット
(1) 地域のお客さま
路線バスの路線網が維持されることで、通学や通院など生活基盤の維持につながります。
また、ヤマト運輸のSDが池田町に滞在できる時間が増えるため、池田町の集荷締め切り時間が16:30から17:00に変更されるなど、宅急便のサービスをより便利にご利用いただけるようになります。
(2) 福井鉄道
路線バスの空きスペースを使って宅急便を輸送することで、路線網維持につながる新たな収入源を確保することができます。
(3) ヤマト運輸
越前市にある宅急便センターから池田町までは、片道27kmの距離があり、40分ほど時間を要します。集配車が往復して宅急便を輸送していたところを路線バスが輸送することで、運転時間の削減ができ、SDの負担軽減や生産性の向上につながります。また、走行距離の削減はCO2排出量の削減にもつながります。
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現