東北電力は、ヒートポンプを活用したトマトのハウス栽培に関する研究で獲得したデータやノウハウを用いることで、実際のハウス栽培においても、生産性・収益性の向上が実現できることを実証した。
東北地方では、東日本大震災以降、被災農地の利活用としてハウス栽培の導入が進んでおり、中でもトマトは大型施設によるハウス栽培を中心に増加傾向にありますが、ハウスが高温になる夏場の栽培が難しいという課題がありました。
今回の研究は、こうした課題に対するお客さまからのご要望を踏まえて実施したものです。
具体的には、当社はこれまで、農業分野においては主に冬季の暖房用として、ヒートポンプ導入に向けた提案活動を行ってまいりましたが、本研究では、ヒートポンプが備えている「冷房・除湿機能」に着目し、東北地方の夏場のハウス栽培において、生産性・収益性を向上できるかという観点から検証を行いました。
当社研究開発センター(仙台市青葉区)で実施した研究では、夜間に生育が進むトマトの特徴や、夏の夜間の気温が比較的下がりやすい東北地方の気候の特徴などを踏まえ、夏場の夜間に冷房・除湿を行うことによるトマトの生育への影響や、ヒートポンプを活用しつつも生産性・収益性が両立できる最適な温度・湿度条件を検証いたしました。
また、あわせて、この研究で獲得したノウハウなどを用いて、実際のお客さまの生産施設でも適用が可能か、約3年間にわたる検証を行った結果、トマトの流通量が減少し、販売単価の高まる時期の収穫量が40%程度向上するとともに、収穫したトマトの大きさや形、色付きなど品質面の向上も確認することができました。
この結果、年間ベースでも生産性・収益性の向上にもつながったことを確認いたしました。
(別紙)ヒートポンプを活用したトマトのハウス栽培に関する研究成果について
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