香港の高層タワー39階にある屋上ファームが収穫ピークへ。都市住民の行動にも変化が

 高層タワーが建ち並び、人口密度も高い香港にて、世界でも有数の高い場所にある屋上ファームが野菜の収穫ピークをむかえている。その屋上ファームは、香港中心部バンク・オブ・アメリカの39階にある。

植物工場や施設栽培といったハイテクな栽培方式ではなく、簡易ボックスに土を詰めて有機栽培を行っているだけだが、屋上には影が無く、十分な光量を確保できるため、中華料理で利用する葉野菜、ミニトマト、ブロッコリーや人参などの根菜類まで何でも栽培している。

最近では蝶や昆虫も、大都会の屋上ファームにて見かけるようになり、休日には多くの訪問者やボランティアが集まるようになり、香港人の食・農業に関する考え方も変わりつつある、という。

香港の都市型農業をプロデュースするルーフトップ・リパブリック社

 こうした香港の屋上ファームなどをプロデュースするのが、ソーシャルビジネスを展開するルーフトップ・リパブリック社だ。同社は、屋上など未活用スペースを利用した都市型農業の設計デザインや設備導入、さらには運営管理もトータルで支援しており、休日には屋上ファームを利用して様々なワークショップ・イベントを行っている。

香港の高層タワー39階にある屋上ファームが収穫ピークへ。都市住民の行動にも変化が香港の高層タワー39階にある屋上ファームが収穫ピークへ。都市住民の行動にも変化が
 同社では、一つのファームは小さいものの2015年3月までに、香港に19個の農場を開設し、合計栽培面積は約2,100平方メートルとなっている。

屋上ファームには香港大学など教育機関だけでなく、最近は有名企業からのスポンサー支援を受け、企業CSRの一環として共同農場を開設するケース、地元有名シェフとのコラボなど、都市型農場を次々とオープンさせている。