国土防災技術株式会社は、自社が開発した「純国産フルボ酸」が土壌を改善させ、農作物の品質を向上させることに成功した、という。同社の試験結果では、サクランボの糖度増加、病気が発現せずに健全なトマトの収穫につながっている。
■事例(1)
山形県において樹勢の弱っていた「桜(さくらんぼ)」の根系にフジミン(フルボ酸の原液)を500倍に希釈したものを散布しました。その結果樹勢が強くなり、葉緑が増え、さくらんぼの糖度も30度を記録しました。
■事例(2)
島根県の農業高校において、トマトの畑においてカルシウム欠乏症による「尻腐れ病」が問題となっていました。学校の実習においての連作で定期的に施肥をしていたため、カリウムやナトリウムなどの要素が土壌中で過剰になり、カルシウムを効率よく吸収できない状態でした。
フジミン(フルボ酸原液)を500倍に希釈した溶液を1L/平方メートル散布した結果、土壌を改善させることに成功しました。このことにより、病気が発現せずに健全なトマトを収穫することができた他、腐敗が遅れるなど品質向上にも繋がりました。
●フルボ酸の有無による「尻腐れ病」発現の差
■実施結果
今回の実験により、以下の化学的作用が確認されました。
(1)土壌の熟度を増す効果
(2)アンモニア態窒素を増やす効果
(3)過剰な硝酸態窒素を低下させる効果
(4)リン酸を増やし、リン酸吸収係数を下げる効果
(5)土壌の塩基バランスを整える効果
■現在の状況
米やジャガイモやほうれん草などの農作物の他、学校の校庭やゴルフ場、公園などで、同様の技術を使い、芝生の再生を行っています。
■「フルボ酸」とは
フルボ酸は、自然界では微量にしか生産されない貴重な資源で、通常は腐植土壌に多く存在します。腐植土壌とは、森林生態系において地上部の動植物により生産された有機物が堆積し、微生物により分解されて土状になったものです。
またフルボ酸は、もともと森林や土壌の中に存在する有機酸の一つで、植物にミネラルを補給する役目を担っています。フルボ酸は植物が必要とする肥料の交換能力を高め、効率よく肥料吸収を図り光合成量を向上させ、酷暑期の耐性を高める効果もあります。
当社が量産化に成功した純国産フルボ酸は、一般のフルボ酸より活性効果が高い資材であり、国際化粧品素材登録であるINCIコード及び有機JASに登録されており、第16回民間部門農林水産研究開発功績者表彰の農林水産技術会議会長賞(民間企業部門)や第61回森林技術賞を受賞するなど、高い評価をされています。
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